バンガロールに深夜に到着して一泊し、翌日の午後に列車で3時間くらい南に下る。インドの鉄道は便利で、指定席がネットで購入できる。Eチケットなのだが、プリントアウトして持っていないと検札でひっかかる。列車の乗り心地は、新幹線と比べればもちろん劣るけれど、エアコンつきの列車を選んだので悪くない。ひっきりなしにチャイやらコーヒーやらお菓子やらを売りにくる。目的地はベローという小さな町。
なぜベローかと言えば、「学生宇宙開発国際会議」(SEDSICと略称)がベロー工業大学(VIT)で9月22日と23日に開催され、その前日の9月21日に行われるプレ会議の1つ、「キューブサットワークショップ」に参加することになっていたからである。
キューブサットは、10センチ角の小さな衛星。日本の大学生が作った超小型衛星はすでに5基も軌道を回っている。インドの大学でキューブサットを作っているところはまだないのだが、この大学の学部生の有志が集まって、「キューブサットチーム」を結成して、WEBをくまなく見て回って勉強したという。日本からは、筆者のほかに日本大学の宮崎康行助教授が講演。
日本大学のキューブサットは、2006年7月にロシアのロケット打上げ失敗によって無念の涙を呑んだのだが、予備機を整備して、今年の末にインドから打上がる予定。日大キューブサットSEEDSのエンジニアリングモデルは人気抜群で、セッション終了後も写真撮影と質問が続いた。
9月22日は本番の会議。この会議は、すべて学生によって準備され運営されているというのだが、実にスムーズで本格的。
会議と並行して、別会場では展示が行われていた。中高生が手作りの展示物を前に説明してくれる。「火星コロニー」は、「テラフォーミング(地球化)」や「火星の特徴」を勉強した上で作ったという。賢そうな顔でしっかりと、はきはき話す。