さて、お次は5日間にわたって行われた国際会議に出席。ベローからハイデラバードへの移動は寝台車で12時間ほど。なかなか楽しい旅だった。

この国際宇宙会議(International Astronautical Congress)は、IACと略して呼ばれることが多い。IACは、IAF(International Astronautical Federation: 国際宇宙航行連盟)がIAA(International Academy of Astronautics: 国際宇宙航行アカデミー)、IISL(International Institute of Space Law: 国際宇宙法学会)と共同して年に1回開催している国際会議なのだそうだ。成り立ちがそういうことなので、テクニカルなものから法律関係、教育関係までさまざまな分野が混在していて、122ものセッションがある。

参加者は今年2,600人だったそうで、論文数が1,200件ほど。今年で58回目というから、相当に歴史のある会議。オリンピックのように、開催地は立候補して選挙で決まる。昨年はスペインのバレンシアで、来年はイギリスのグラスゴー。ついでに言うと、一昨年は福岡だった。

会場となったハイデラバード会議場。ホテルが隣接している

テロを警戒して、セキュリティチェックがある

入り口でサリー姿のインド女性が迎えてくれる。もちろん、道案内もしてくれる

参加者はここで登録して名札バッジと会議キットをもらう

9月24日の月曜日が初日。まずは、市内のホテルで会議参加者専用バスに乗る。発車時間は7時30分で一本しかなく、これを逃すと自分でタクシーを手配して行かなければならない。会議場は陸の孤島であまりに遠いので、安いオートリクシャーは行ってくれない。ついでに言うと、帰りのバスも一本しかなくて、19時30分発。会場までは車で30~40分かかる。つまり、一度行くと12時間は会議場にいなければならない。

開会式は盛大に行われ、お歴々のご挨拶に加え、どこの国でも、民族舞踊や音楽が披露される。しかし、今回は数が多い。スピーチと民族舞踊が交互に出てくる。10組くらいは出てきただろうか。最後は歌番組のフィナーレのごとく、出演者全員がステージに上がり、盛り上がったところで開会宣言。

開会式のインド舞踊

ジェームズ・ジマーマンIAF会長による開会宣言。背後のスクリーンに顔が大映しになる

午後は全体会議と、その後は小さな会場に分かれての論文発表。会議のほかに展示もあるので、座って聞いているのに疲れたら展示場でぶらぶらすることもできる。展示場は、会議場から徒歩5分くらいのところにある。シャトルバスが運行されているのだが、バスで行くとなぜか時間がもっとかかる。2009年は韓国での開催が決まっているためか、韓国は太鼓や踊りの一団を連れてきていて、展示場の内外でパフォーマンスのサービスをしており、黒山の人だかりになっていた。

展示場

釣鐘のように見えるが、実は宇宙から帰還したインドのカプセル

日本のJAXAブースも盛況

韓国のブース

木曜の夜には、次年度開催地のグラスゴー主催のパーティーがあり、グラスゴーのスタッフは民族衣装のキルト姿で登場。しかしながら、19時30分のバスに乗らないと大変なことになるので、早々に引き上げる人が大半。金曜はパブリックデー。子供たちがたくさん参加していた。インドの子供たちはとても熱心で物怖じしない。講演の際の質問用マイクには長蛇の列ができる。

金曜夜は、ガラディナーと呼ばれる最後の行事がある。大枚80ユーロ(約13,000円)を払って出席。広い会場にずらりと並ぶ円卓。200人以上が出席とのこと。インド料理をいただきながら、インド舞踊と音楽を楽しむ。その後、各種表彰やインド側へのお礼など、記念品贈呈やら花束贈呈やらが続く。そして、すべての行事が終了。

自分たちでデザインしたという「宇宙服」を着たイスラちゃん(10歳)

ガラディナーの料理