Intelの開発者向けイベント「Intel Developer Forum (IDF)」は、今年で10年目を迎える。その節目の年、社長兼CEOのPaul Otellini氏によるオープニング基調講演のタイトルは「エクストリームをメインストリームに (Extreme to Mainstream)」だった。これは、これまで革新的な技術に取り組み、製造技術へ投資し、長期的な製品戦略と市場作りなどによって実現してきたIntelの歴史と言える。では、Intelがもたらす次のメインストリームは……というのが基調講演のテーマだ。
11月12日にPenrynをローンチ
Intelは年内に45nmプロセスで製造された製品の投入を計画している。同プロセスが今後2年間のIntel製品の土台であり、High-kゲート絶縁膜とメタルゲートを用いた同プロセス技術で実現するパフォーマンスと効率性が次世代の"エクストリーム"の根幹となる。基調講演でOtellini氏は、初の45nmプロセス製品となる「Penryn」を11月12日にローンチすると明言。45nmプロセスへの順調な移行をアピールした。
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High-kゲート絶縁膜とメタルゲートを用いたソリューションで20%のパフォーマンス向上とリーク電流の大幅削減を実現 |
45nmプロセスではリードフリーに続いて、2008年に100%ハロゲンフリーを実現 |
Intelは、2年おきに製造プロセスを微細化し、その次の年に新しいマイクロアーキテクチャを導入するTick-Tack戦略に基づいて製品を投入する。微細化の年のPenrynは現行のCoreマイクロアーキテクチャが土台となる。同社は年内に15種の45nmプロセス製品を揃えるという。2008年第1四半期にはさらに20種の45nmプロセッサを追加する計画だ。なお2008年前半には、45nmプロセスで製造され小型・低消費電力の「Silverthorne」が投入される。
翌2008年には、45nmプロセスで新マイクロアーキテクチャの「Nehalem」が登場する。Nehalemはスケーラブルなマルチコア・システムであるのが特徴。「Intelの観点から言うと、非常に効率的なモジュラー・デザインであり、コアやキャッシュサイズ、I/Oのコンフィギュレーション、消費電力量などを必要に応じて変更できる。デベロッパーの観点では、コアやキャッシュのオン/オフ、スレッドのオン/オフなど、マイクロプロセッサに関連してシステムをリアルタイムでダイナミックに変えられる。タスクに応じたパフォーマンスの最適化が可能だ」 (Otellini氏)。2008年に出荷されるNehalemの最大のコンフィギュレーションは8コアで、それぞれが2スレッドの並列処理に対応し、1つのプロセッサで最大16スレッドを同時実行できる。
また45nmプロセスの次となる32nmプロセスについても、試作されたSRAMウエハが披露された。2009年に同プロセスを用いたプロセッサの製造開始を見込んでいる。