将来製品について

Q: これ(Photo05)は今年のAnalyst Daysにおけるあなたのプレゼンテーションです。このM-SPACE Design Methodlogyは現在での話だと思うのですが、「Bulldozer」/「Bobcat」(ともに開発コードネーム)世代になると、CPUコアが2種類になるということでしょうか? それとも1種類のコアをパラメータを変えて使うという形になるのでしょうか?

A: BulldozerとBobcatは全く異なるコアになる。どちらのコアも、M-SPACE Design MethlodlogyやSoCに利用できるように作られる。BobcatコアはCE向け、つまり旧ATIのXillionやImageon向け、ハンドセット、あるいはDTV Setboxといった用途に向けてはSoCを使うことになる。とりあえず、これまでだとARMとかMIPSなどのCPUコアが利用されてきた用途に向けて、低消費電力のx86コアをモジュラーの形で製造する予定だ。またFusionのTimeframeでは、GPUコアもやはりM-SPACE Design Methlodlogyのコンポーネントになり、この場合BulldozerもしくはBobcatのコアと組み合わせてSoCを設計することになるだろう。

Q: Bulldozerの世代ではPerformance per Wattの性能を向上することに焦点が置かれると思いますが、その場合Single Thread Performanceはどうなるでしょう? Bulldozer世代でもやはりSingle Thread Performanceは向上するのでしょうか?

A: Bulldozerが目的とするのはSingle Thread Performanceの向上だ。勿論、これを犠牲にすることなく、Virtual Thread Performanceの向上も目的としているが。我々はBulldozerのTimeframeにおいては、依然としてクライアントではSingle Thread Performanceの向上が必要だと判断している。

Q: Bobcatは低消費電力、特にスタンバイ電力を低減することが重要だと思うのですが、どのようなマイクロアーキテクチャでこれを実現するのでしょう?

A: The simple one(笑) 基本的には、非常に単純なアーキテクチャを用いる予定だ。性能を引き上げるのに複雑なアーキテクチャ、例えば投機予測とか複雑な分岐予測とかを採用する予定はない。それは消費電力の観点からも好ましいとは言えない。これはトレードオフの問題だが、単純なコアでどこまで消費電力を抑えつつ、どこまでIPCを引き上げられるかという話だ。CE向けとしてはPower Budgetが限られるし、コストの問題もある。このPowerとコストをいかに抑えるかが重要な課題だ。

Q: 具体的に、どんなアイディアをBobcatの世代で使うのか教えていただけますか? 例えばGeode GXは非常にクラシカルなCISCですが、それ故低消費電力です。あるいはTransmetaのCrusoeとかEfficeonは低消費電力ながらパワフルなVLIWにCode Morphingを組み合わせていました。別のアイディアはVIAのC3とかC7で、これはシンプルなRISCです。ではBobcatはどうでしょう?

A: 非常に小さく、トラディッショナルなx86コアだ。消費電力を抑えるような異なる実行ユニットを持つ、クラシカルだがハイレベルなx86コアだと言っておこう。

Q: ロードマップ(Photo06)によれば45nm世代ではOctal Coreが登場することになっていますが、この世代ではMCM(Multi-Chip Module)タイプのコアが登場する可能性はありますか?

Photo06:こちらも発表会におけるプレゼンテーションより。

A: 我々は引き続きMCMの可能性を探っているが、実際にMCMを使うかどうかはトレードオフになるだろう。

Q: このロードマップを見ると、1st GenerationはSingle Coreで始まってDual Coreで終わりました。2nd GenerationはDual Coreで始まってQuad Coreで終わります。ということは、3rd GenerationはQuad Coreで始まり、16コアで終わると考えていいのでしょうか?

A: いやいやいや、そういう見方をしてはいけない。このPlatformというのは、CPUで規定されているわけではない。これらはIndustry Technologyで規定されているものだ。例えばGeneration 1はDDRとPCIだ。つまりMemory TechnologyとI/O Technologyが関係してくる。Gen 2はDDR2とPCI Expressというわけだ。Gen 1の90nm Dual CoreとGen 2の90nm Dual Coreは同じCPUだ。つまりCPUで規定されるわけではない。我々はこのGenerationを規定していない。だから例えばGeneration 4では、DDR4 MemoryとPCI Express 3.5とか4.0とかになると思う。