Q: 次にACPについてです。ACPのうち、TCP-CとかSPECcpu/SPECjbbといった項目は判ります。これらは実際のUsageを反映していますし、現在もメンテナンスされているテストだからです。が、STREAMはこうしたものに比べるとそもそも古く、また実際のUsageを正確に反映しているとは言えないように思うのですが、なぜSTREAMをテストに含んでいるのでしょう?

Photo04:発表会におけるプレゼンテーションより。ちなみにACPの正確な測定法は後ほど公開されるとの話だが、現時点ではWhite Paperがリリースされているのみである。

A: それは顧客からの要望だ。例えばデータセンターなどの顧客に「どんなアプリケーションを使っているか」と聞くと、非常にCompute-intensiveなものが多いという返事が返ってくる。ワークロードの軽い使い方というものは存在しないようで、したがってCPUに負荷を掛けるようなUsageのMIXを使う必要がある。これは特にHPCの領域で顕著だ。

エンジニアは常に最悪値を考慮する必要がある。だから電力供給や冷却能力は最悪値にあわせることになる。そのためにはTDPを使えばよい。

ところがそうなると別の問題が発生する。実際の消費電力を見ると、それが必ずしも必要でない場合が多い。あるPCが100Wの消費電力を使っていたとして、別のものは60Wかもしれない。こうした消費電力の分布を見ると図3の様になっている。こうした分布の中央点にあるのがACPだと考えてもらえば良い。

図3

考え方は簡単だ。箱(つまりマシン)の内部を考えるときにはTDPを使えばよい。で、箱の外、オフィスとかデータセンターなどでの全体を考える場合にはACPを使えばよい。

(*1) 既にAMD Developers Centralに、"Develop Blazing Fast Code with Microsoft Visual Studio 2008 (code-named "Orcas") and AMD Tools"という記事が掲載されており、Visual Studio 2008にはBarcelonaもカバーする最適化オプションがいくつかあるほか、APL(AMD's Performance Library)の1.1ではBracelona向け最適化ライブラリが提供されることもわかる。逆に言うと、このあたりの準備が整うまではBarcelonaの威力は発揮できないのかもしれない。