Barcelonaについて
Q: まずRapid Virtualization Indexについてお伺いします。これはNested Page Indexそのものなのでしょうか? それともそれ以外に何か追加された項目があるのでしょうか?
A: Rapid Virtualization Indexというのはマーケティング的な用語で、Virtualization Enhancement全てを指しているので注意が必要だ。私自身は、Rapid Virtualization IndexにはIOMMUの機能も含まれていると考えている。
A2: 現バージョンのVirtualizationにはTagged TLBが使われている。Rapid Virtualization IndexではNetsed Page TableとTagged TLBの両方がサポートされる。
Q: Barcelona世代をサポートするコンパイラについてですが、既にGCCとPGIのサポートが明らかにされています。ただ、LinuxなどはともかくWindows環境では殆どの開発者がVisual StudioやIntel C++を使っているわけですが、こちらにおけるBarcelonaのサポートはいかがでしょう?
A: 我々はMicrosoftととても密接な関係を保って作業しているが、それらの詳細なスケジュールは私からはコメントできない(*1)。
Q: それはMicrosoftもIntelもそれぞれサポートする予定はある、ということですか?
A: Intelに関しては我々は一切関与していない。Microsoftに対しては密接な関係を保っているが。
Q: ではIntelのC++についてはサポートされない、と?
A: 我々は全てのSoftware Distributorや勿論Microsoftと緊密な関係は保ち、Barcelonaのサポートを含む開発を行っているとは言えるが、そのスケジュールを私から言うことはできない。
A2: 我々からパートナーのスケジュールを言うことはできない。ただ現時点でPGI 7.0はBarcelona Readyのコンパイラをリリースしていることは明言できる。
Q: 次にメモリコントローラですが、Barcelonaは2つのMemory Channelを独立に動作させられます(Photo02)。昔のインタビューの際に、Mobile向けの製品、つまりGriffinにあたる製品は2つのMemory Channelが独立に動作するという話でしたが、Server/Desktopはまだ同期した動作になるという話でしたが、Independentになったということは、これはGriffinと同じものが入ったという事でしょうか?
A: いや、そうは思わない。GriffinはUnregisteredのみをサポートしているから、そのまま持ってきた訳ではないと思う。
Q: 2008年の「Shanghai」(開発コードネーム)ではContinued IPC Improvementとあります(Photo03)。これはどうやって実現するのでしょう? 既にBarcelonaではキャッシュへの帯域やFPUを倍増させ、L3キャッシュを搭載するなど、K8コアに比べて大幅にIPCが上がっている筈ですが?
A: それは言えないな(笑)私が答えると、それが記事となり、Intelがインプリメントする(爆笑)。
Q: では逆に聞きます。Improveできるということは、何かしらウィークポイントがあるということですよね? 例えば現在のK8とIntelのCore 2を比較した場合、キャッシュへの帯域がウィークポイントでしたが、Barcelonaではこれが改良されています。すると、何が問題でしょう?
A: 全般的に、Computer Power per Wattの改良がある。これには様々な方法がある。
Q: 確かにPerformance per Wattは重要ですが、それはIPC向上とは別の話ではありませんか?
A: いや、IPCの向上には、IPC per Wattの向上も含まれる。IPCそのものはやや古い定義なのであって、例えば仮想環境におけるUser IPCの向上にはVirtualizationの性能改善がIPC向上につながる事になる。