米Appleは9月5日(現地時間)、ホットスポットなどの無線LANネットワークを介してiPodなどから直接楽曲のダウンロード購入が可能なサービス「iTunes Wi-Fi Music Store」を発表した。従来までであれば、MacやPC上にインストールされたiTunesのソフトウェアを通してのみ購入可能だった楽曲を、携帯再生ハードウェア上から直接購入できるようにしたもの。Wi-Fi Music Storeを介して購入した楽曲は、同期の際にMac/PC上のiTunesライブラリに保管することができる。iTunes Wi-Fi Music Storeは同日発表されたiPod touchのほか、iPhoneで利用可能。今月9月中にも提供が開始される見込み。

iTunes Wi-Fi Music Storeは携帯デバイス向けにインターフェイスが変更されているだけで、機能的には通常のiTunesソフトウェアとほぼ同等のものとなる。検索や無料プレビュー、購入 / ダウンロードがすべてiPod/iPhone上で行え、いちど購入した楽曲はMac/PC上へと転送することが可能。

iTunes Wi-Fi Music Storeの利用例。画面はStarbucks経由でアクセスしたもの

また今回の発表に合わせ、米Starbucksは同社が全米に展開している店舗内でiPod / iPhoneまたはMac / PCからiTunes Wi-Fi Music Storeへの接続サービスを提供していくことをアナウンスしている。同社はT-Mobile USAとの提携で全米に有料ホットスポットサービスを展開しているが、iTunes Wi-Fi Music Storeへの接続は無料となる。携帯デバイスまたはPC上のiTunesソフトウェアからの通信を自動的に認識し、認証なしでWi-Fi Music Storeへの接続を許可する。最初に米ニューヨークとシアトルの600以上の店舗で10月2日より開始され、次いでサンフランシスコ=ベイエリア内の350店舗で11月7日から、以後は2008年2月にロサンゼルス、同年3月にシカゴと順次エリアを拡大していく予定。

Appleからはこのほか、iPhone向けの着信音サービスとiTunes 7.4のリリースが発表されている。iPhone向けの着信音(Ring-tone)サービスは、iTunesで購入した楽曲を30秒程度の長さに変換し、iPhoneで着信音として登録可能なもの。これはiTunesからの新規購入のほか、既存の楽曲ライブラリ上からも選択できる。