セイコーエプソンは28日、光学解像度6,400dpiを実現したA4フラットベッドスキャナ「GT-X970」、および「GT-X770」を発表した。販売はエプソン販売を通じて9月6日より開始される。価格はオープンだが、予想実売価格はそれぞれ5万5,000円前後、3万円前後。

スキャナドライバ「Epson Scan」が「ICCプロファイルの埋め込み」に対応し、JPEG/TIFFファイル作成時にターゲットとなるカラー領域のICCプロファイルを埋め込める。また、高圧縮PDFファイルの作成もサポートする。さらに自動露出モジュールが改良されてカラーネガフィルムの色再現性が向上したほか、「逆光補正」機能も改善されている。

GT-X970

GT-X770

フラッグシップモデル「GT-X970」

GT-X970は、焦点距離が異なる2つのレンズを自動的に切り替える「Dual Lens System」を搭載することで高画質ながらも多彩なフィルム・原稿へ対応するのが最大の特徴。35mm、ブローニ、4×5フィルム読み取りなどフィルムホルダ使用時には最大光学解像度6,400dpiの大口径レンズ EX Resolution Lens6400、反射原稿や8×10フィルムの読み取りといったフィルムエリアガイド使用時には最大光学解像度4,800dpiのSTANDARD Resolution Lens4800を使用する。

CCDカバーガラスに表裏両面で光の反射を防ぐ特殊コーティングを採用して忠実な画像を再現したほか、光の反射率を高めた高反射ミラーで読み取り時のパフォーマンスを向上させ、従来モデルの「GT-X900」と比較して約10%高速化をはかった。

RGBそれぞれの分光感度分布の重なりを減少させて高精度な色分解を実現した「α-Hyper CCDII」技術搭載のCCDを緻密に配列し、受光素子の感度を高めてノイズを抑えた。また、フィルムに付着したゴミ・キズの除去に加えて紙焼き写真のキズや折れ目、裂け目も自動補完・修正・修復する「DIGITAL ICE」、速度優先のフィルム専用「DIGITAL ICE Lite」も利用できる。

ハイレベルスタンダードモデル「GT-X770」

GT-X770は、光源に新たに白色LEDを採用し、本体電源投入後1秒以内にスキャニングに入れるウォームアップレススキャンを実現したモデル。α-Hyper CCDII技術搭載CCDをRGB各色4ライン、計12ライン構成にすることで各ラインセンサ上の単位が素サイズの大型化を実現している。また、DIGITAL ICE、DIGITAL ICE Liteも用意されている。

操作性の面では、スキャナ、メール、コピー、PDFの4つのナビボタンを搭載し、複数ページのPDFファイルの作成が「PDFナビボタン」と「スキャナナビボタン」のボタン操作だけで簡単に行える。また、作成したPDFファイルはテキストデータの埋め込みに対応している。多量の書類をまとめてスキャンできる「オートドキュメントフィーダ」もオプションで利用可能だ。