さらに夏商戦向けの施策の一つとして、同社携帯電話のポータルサイト「Yahoo!ケータイ」で、情報料無料(通信料は別途かかる)の携帯電話向け動画コンテンツサービス「Yahoo!動画(ベータ版)」の提供を22日から開始する。最新ニュースやスポーツの試合のダイジェストなど速報性の高い動画コンテンツを中心に、ニュース、スポーツ、グラビアなどの動画コンテンツを視聴できる。会員登録などの手続きは不要。動画コンテンツは随時追加・更新され、月に1,000本以上のコンテンツを提供する予定だ。「Yahoo!動画(ベータ版)」は、Yahoo! JAPANの動画コンテンツポータル「Yahoo!動画」の携帯電話版との位置づけになる。

Yahoo!動画をケータイでも視聴できるようになる

一方、今回の新端末群には、OSに「Microsoft Windows Mobile 6」を国内で初めて採用したWindowsケータイ「X02HT」「X01T」をそろえている。これらのいわゆるスマートフォンは「ビジネスマンからみると、Windows Mobileにより、会社のメールと、Exchange Serverを同期することなどで、仕事を効率化できる。これらの層には適している。インターネットにこだわる人々の間でスマートフォンは徐々に広がっていく」(孫社長)

発表会見に駆けつけたマイクロソフトのダレン・ヒューストン社長は新製品について、次のように語る。「生産性を向上させたいと願う人々のための商品となるよう期待している。ユーザーインタフェースはパソコンに類似しており、インターネットのサービスを利用しやすく、イントラネットにもアクセスできる。Windows Mobile 6があれば、CRM、ERPにもつながる」

Windows Mobile 6.0搭載端末にエールを送った、マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長(写真右)

孫社長は「日本の携帯電話は3Gになってから、(筐体は)分厚く、かっこ悪くなったとの声があった。ソフトバンクは他社に先駆けてワンセグ搭載機を出したが、同時に(筐体の)スリム化を始めた。また、1機種の端末で本体の色は3~4色が常識だったが、20色にした。『薄さ』『色』とくると、次は『デザイン』そのものへのこだわりということになる」と話す。

2億4,000万通りのコーディネートができる「fanfun」

この日は、午後3時より行われた同社の発表会に先立って、午前中にKDDIが夏商戦の新端末を発表したが、その会見の席でも「デザイン」「ライフスタイル」が主題として強調されていた。これまでソフトバンクは、新端末の発表では他社の度肝を抜くような仕掛けを用意することが多かった。昨年はまず、ワンセグという最新にしてかなり強力と思われるアプリケーションをいち早く採用、そして、これまでに例のないような大量の新製品で、業界を驚かせ、ナンバーポータビリティ(MNP)開始のまさに寸前に、価格戦略を明かした。だが、今回は、「スタイル」を前面に据えており、これまでほどの意表を突く要素は影を潜めた。前回、冬商戦の際の1端末20色との商品展開は、「スタイル」重視への兆しだったともいえる。同社の契約数は伸びており、MNPでもわずかだが転入が転出を上回った。実績に着目すれば、順調であり、「奇襲」や「隠し球」のような商品、サービスを投入する戦法は、とりあえず小休止ということかもしれない。