AMDから新世代GPU「Radeon HD 2000シリーズ」が登場した。同社としては初のDirect X10世代のGPUであり、型番も新たにHD 2xxxとしてスタートしている。今回はそのシリーズラインナップのうち、現時点では最上位となる「Radeon HD 2900 XT」を搭載する製品を入手できたので、早速だがこれをテストしてみたいと思う。

Radeon HD 2900 XTを搭載したグラフィックスカード

アーキテクチャ一新 - DirectX 10に対応した「Stream Processing Unit」

最初に仕様を確認しておこう。

GPU Radeon HD 2900 XT Radeon X1950 XTX
製造プロセス 80nm 90nm
トランジスタ数 7億 3億8400万
コアクロック 740MHz 650MHz
ストリームプロセシングユニット 320
ピクセルシェーダー 48
バーテックスシェーダー 8
メモリタイプ GDDR3 GDDR4
メモリインタフェース 512bit 256bit
メモリ容量 512MB 512MB
メモリクロック 825MHz 1000MHz
メモリ帯域幅 106GB/sec 64GB/sec

Radeon HD 2000シリーズが3Dファンクションで大きく変わった点は、DirectX 10への対応だ。ライバルのNVIDIA同様、これまでのピクセルシェーダー・バーテックスシェーダーという2つのシェーダーによる構成から、これらどちらの機能(+α)としても動作する「Stream Processing Unit」へとアーキテクチャが変わった。

そのほか、プロセスはより微細な80nmへ、トランジスタ数は一気に7億に達した。また、Radeon HD 2900 XTではメモリ接続バス幅が512bitとなった。Radeon X1950 XTXから比較して倍、ライバルのGeForce 8800 GTXと比較しても128bit多い計算となる。そのため、メモリ帯域幅は106GB/secにも達する。これは1080MHz駆動のGeForce 8800 Ultra(103.7GB/sec)をも上回るが、バス幅が128bitぶん多いため、Radeon HD 2900 XTでは825MHzというそこそこなクロックでこれを実現している。

3Dファンクション以外では、AvivoがAvivo HDへと進化している。これまでのAvivoがCPUで処理していたVC1や、H.264/AVCのBitstream Processingも含めてGPU側で処理し、CPUの負担をより軽くするものだ。このBitstream ProcessingではライバルNVIDIAもGeForce 8600/8500においてBSP・VP2を搭載しGPU側で処理を行うようになった。このようにGPU側でHDビデオの再生支援をトータルで行うのが、ゲーム以外の用途においてもこの世代のGPUにアップグレードするメリットと言える。