高度経済成長に伴い、中国の大学は近年大幅に募集定員を増やし、ますます多くの若者が高等教育を受けられるようになった。社会の持続的発展という見地からみれば、素質ある人材を大量に育成することは中国の発展戦略に見合うことだが、増加し続ける大学卒業者の数が、大学卒業者自身を悩ませ始めている。大学卒業者たちが湯水のように求職市場に流れ込んだ結果、ほとんど全ての卒業生が、いま身をもって就職難を感じている。大学生の就職問題は日増しに深刻の度を深めており、ますます多くの大学生が卒業と同時に失業という事態に直面しつつある──

昨年上半期、教育部全国高等学校学生情報センターと就職指導センターが主催し、人事部全国人材流動センター、労働と社会保障部職業技能検定指導センターが後援した全国規模の公益イベント「中国大学生の就職に関心を」が執り行われた。このイベントの主な目的は、現在の大学生の就職状況を事実に即して調査することだった。

調査結果によれば近年の就職情勢は楽観視できるものではなく、多くの大学卒業生が自分に適した仕事を見つける自信を持っていないことがわかった。

「自分に適した仕事を見つける自信がある」と回答したのは卒業生の20.08%に過ぎなかった。42.96%の卒業生が、「努力することにより仕事が見つけられる」と答えたが、これはある意味で卒業生たちが自分に適した仕事を見つける自信がないことの現れだ。また、28.87%は明確に「現在就職することは困難で、自分に適した仕事を見つける自信もない」と意思表明をしている。さらに、8.09%が「就職情勢を憂えている、仕事が見つけられないではないかと心配」している。

大学卒業生の就職に対する態度の変化が、こうした状況をもっとも如実に反映している。いまや空前の就職難を前に、「まず就職し、後に業種を選ぶ」態度が多くの大学生の選択だ。上記の調査でも44.21%の卒業予定学生が先に就職し、後に業種を選ぶと回答している。このような状況は、一方では卒業生の就職姿勢に大きな変化があったことの現れだが、もう一方で、企業にとっては大卒者を採用した後、いかに人材を引きつけ、留まらせるかが重要な問題となってくる。