こうした素早く簡単にデザインを決めるうえでのもう1つのポイントとなるのが[ライブプレビュー]機能だ。この機能は、前述の[テーマ]やフォントの設定など、デザインに関する機能について、コマンドを実行する前に、カーソルをコマンドに合わせただけで結果がプレビュー表示される、という機能だ。
たとえば表のデザインを変更する場合、通常であれば[ギャラリー]から好きなデザインを選んでクリックしてそのデザインを設定するのだが、実際に設定してみないことには、どのデザインが最適なのか選びづらい。かといって、一つ一つ設定していくのはちょっと手間がかかる。
ライブプレビューであれば、[ギャラリー]の上をカーソルでなぞっていくだけで、次々と実際のデザインがプレビューという形で仮適用されていき、「これだ」と思うところで実際にクリックすればそのデザインが最終的に適用される。
カーソルを[スタイル]の右端のデザインに合わせたところ、表のデザインが変更された。実際に選択されているのは左端のデザイン。カーソルを動かすだけで、次々とデザインが変わっていく様子は、実際に試すと手軽で楽しいぐらい |
表だけでなく、グラフや図形でも同じようにカーソルを合わせるだけでデザインが変更できる他、範囲選択したフォントの種類やサイズ、そしてもちろん[テーマ]に関してもライブプレビューによって、結果をプレビューしながら試行錯誤ができる。
[テーマ]と[ライブプレビュー]は、デザインをより簡単に、素早く決めるための機能だ。リボンUIにもつながることだが、2007 Office Systemでは、いかにユーザーが分かりやすく、そしてすぐに希望する結果に到達するかが追求されている。
今までがそうではなかったとはいわないが、それを追求するために慣れ親しんだ、そしてそのまま継続した方が開発自体は楽だったはずのUIを一新したわけで、マイクロソフトの気合いの入れ方は半端ではない。
特にUIの変更に関しては不満を感じる人もいるだろうし、賛否両論があるかもしれない。実際に多くのユーザーがリボンUIをどう評価するか、現時点では未知数だが、マイクロソフトの姿勢自体は間違っていないだろう。