――デジカメやハイレゾオーディオの事業戦略では、どこがポイントになりますか。

河野氏 レンズ交換式のαシリーズでは、これまでの家電メーカーが出していたカメラから、カメラメーカーであるソニーが出すカメラへと進化していることをもっと訴求したいと考えています。カメラグランプリ2016において、α7R IIが大賞を、さらにRX100 IVおよびRX10 IIがカメラ記者クラブ賞を受賞しました。カメラメーカーとしてのソニーのステータスが上がってきたことを感じます。

プロカメラマンを対象にしたソニー・イメージング・プロ・サポートへの加入者数もこの1年で倍増しています。全国5カ所のソニーストアにおいても、プロカメラマンをサポートする体制を整えました。さらに、購入前から購入後までユーザーが相談できるようαPlazaを設けました。プロからテクニックなどを直接学ぶことができるαアカデミーや、αユーザーが撮影した作品を発表できるギャラリーなども用意しています。カメラメーカーとしてのサポート体制の強化に踏み出していきます。

カメラメーカーであるソニーとして、αシリーズの展開を強化

プロカメラマンなどをサポートする窓口を全国5カ所に設置

また、ハイレゾオーディオでは、ハイレゾ対応ウォークマンの販売強化に加えて、MDR-1000Xを中軸としたヘッドホン製品や、HT-MT300をはじめとするサウンドバー製品、ポータブル型を含めたスピーカー製品に力を注ぎます。

とくに、ヘッドホンは実際に音を聴いていただくのが最もわかりやすいですから、そうした場を増やしていきたいですね。他社のノイズキャンセリングヘッドホンと聴き比べてもらう環境を作りたいと考えています。また、スマホ売り場にヘッドホンを展示するといったことも積極的に提案していきたいですね。量販店では、スマホとヘッドホンのバイヤーが異なるために、連携した売り場をつくりにくいといったことも指摘されています。そのあたりも、ソニーマーケティングがご協力できればと考えています。

ウォークマンの成長が厳しいのは確かですが、その一方で、ヘッドホンは成長領域ですし、スピーカーも伸張しています。Signature Seriesのように究極のハイレゾ音源をあますことなく表現できる製品も揃えています。こうした成長領域には積極的に投資をしていきます。

ヘッドホンは成長領域のひとつ