たまには魚が食べたい! というときに、意外と重宝する魚の缶詰

肉と比べて日持ちしない魚を献立に取り入れるのは、ちょっとハードルが高いもの。肉なら冷蔵保存、特にチルド室など冷蔵室よりも低温のスペースに入れておけば、3~4日は持ちますが、魚だとちょっと不安になります。また、肉なら冷凍保存ができますが、魚は不向き。魚は、その日に買って、その日のうち食べるというのが一番、適した食べ方のようです。そうなると、魚が食卓に登場するのは、スーパーの営業時間内に帰宅できたときだけということに。

さらに、魚は意外と値段がはります。食べ応えのある肉の方が、魚より高いような気がしますが、国内産の魚は結構なお値段です。北海道産のカレイが2切れ=800円とか、天然もののぶりが2切れ=600円とか平気でします。もちろん、1切れ=100円の鮭など安価な魚もありますが……。魚のレシピというと、切り身の塩焼きか照り焼き。ちょっと頑張って煮付け、といったところでしょうか? 今晩のメインおかずにしては、ちょっと淋しい感じが否めません。また、肉には、野菜炒めという手早く作れて、栄養的にまずまずの定番おかずがありますが、魚はそうはいきません。ぶり大根という、魚プラス野菜の家庭料理もありますが、ぶりの臭みを取るために茹でこぼしたり、大根に火を通すまでに時間がかかったりで、お腹が空いて、今すぐごはんにしたい!というときに作りたいと思う献立ではありません。

魚をメインおかずにして、手早く作れて、しかも栄養的にもバランスがとれ、食べ応えもあるとなるとなかなか難しいもの。そんなときに重宝するのが、魚の缶詰です。もちろん、缶詰を開けただけでは、メインおかずにはなりません。ひと手間プラスする必要がありますが、そのひと手間で缶詰が立派なメインおかずにバージョンアップします。

缶詰なら日持ち抜群。味つき缶詰なら味つけに失敗なし。しかも安い! 

商品によって異なりますが、缶詰の賞味期限は1~2年。これだけ長期ならば、さすがに賞味期限切れになることは、まずないでしょう。もちろん、冷蔵庫に入れる必要はなく、常温保存でOK。値段も1缶=100円前後が一般的で、「おうちごはん」で節約派には、うれしい価格設定です。内容量も、1缶が1人分にちょうど良い量なので、1回で食べ切れてムダがありません。

缶詰は、生魚よりも栄養価が劣ると思われがちですが、獲り立ての新鮮なうちに缶に密閉し、短時間かつ高温で加熱処理しているので、栄養価の面でも優秀な食品です。また、魚の骨ごと食べられる缶詰もあり、カルシウム満点な1皿ができます。

最近は、魚の缶詰の味つけもバラエティー豊かになっています。オーソドックスなしゅうゆ味やみそ味に加えて、塩焼き、蒲焼、照り焼き、野菜スープ煮、カレー煮、しょうが煮などがあり、完成度の高い味つけになっています。魚の缶詰、侮りがたしです。

プラスひと手間でワンプレートごはんが完成! 

最近の缶詰は、そのまま食べても充分、ごはんのおかずや酒肴になりますが、やはりここはひと手間かけて、食べ応えをさらにアップさせましょう。魚の缶詰を使った手間なしスピードレシピを紹介します。

いわしのしょうが煮のひつまぶし風

<材料>

いわしのしょうが煮の缶詰…1缶
しょうが…1かけ
大葉…3枚
きざみのり、チューブ入りわざび…適量 

<作り方>

  1. いわしのしょうが煮をひと口大に切る。
  2. 温かいごはんにいわしを乗せ、缶詰の汁をかける。千切りにしたしょうがと大葉をトッピングし、きざみのりをパラリ。お好みでわさびを添える。
  3. 缶詰の甘辛い汁がごはんにしみて美味。しょうがと大葉が、魚の生臭さと缶詰臭さをカバーしてくれます。お茶漬けにしてもOK。さんまの缶詰、しょうゆ煮缶詰、蒲焼缶詰、照り焼き缶詰でも応用可。

さばのカレー煮のピラフ

<材料>

さばのカレー煮の缶詰…1缶
玉ねぎ…1/4個
ピーマン…1個
にんじん…2センチ
カレー粉…大さじ1/2

<作り方>

  1. 玉ねぎ、ピーマン、にんじんは粗みじん切りにする。フライパンにサラダ油大さじ1を熱して、焦げ付かないように弱火で炒める。
  2. 温かいごはんにさばをボウルに入れ、さばのカレー煮の缶詰を汁ごと入れて混ぜ合わせる。カレー粉も加えて、サッと混ぜる。トッピング用にさばを1切れ取っておく。
  3. (2)に炒めた玉ねぎ、ピーマン、にんじんを入れて混ぜ合わせ、1切れ取っておいたさばを乗せる。

カレー味のごはんは焦げ付きやすいので、フライパンで炒めずに、温かいごはんとさばの缶詰は混ぜるだけにします。缶詰の汁にしっかり味がついているので、カレー粉以外の調味料は不要。 

鮭中骨水煮缶の雑炊

<材料>

鮭中骨水煮缶…1缶
三つ葉…1束
ねぎ…5センチ
卵…1
めんつゆ…大さじ1
塩…少々 

<作り方>

  1. 三つ葉はざく切り、ねぎは斜め細切りにする。
  2. 鍋にごはん1膳分水カップ11/2を入れ、中火にかける。ふつふつと煮立ってきたら、鮭中骨水煮缶、ねぎを入れ、2分煮込む。めんつゆ、塩で調味する。
  3. (2)に三つ葉を散らし、溶き卵を回し入れ、ふたをして中火で1分加熱したら、そのまま蒸らす。

残業で遅くなった日の夜食や、飲み会あとの小腹が空いたときにオススメです。三つ葉とねぎの代わりに、玉ねぎとピーマンを入れコンソメ顆粒で味つけすればリゾット風にもなります。

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