クラウドコンピューティングや仮想化技術の普及により、ストレージに対する需要は増大しています。特にビッグデータ活用など、データ分析がビジネスを牽引する今日においては、大容量で高パフォーマンス、さらにスケーラビリティの高いSSD (Solid State Drive)を採用した「オールフラッシュストレージ(アレイ)」が求められています。本連載ではエンタープライズ向けストレージのトレンドを紹介するとともに、ストレージ選びの際に、押さえておきたい技術ポイントを解説します。

>>仮想化専用フラッシュ・ストレージTintri<<

HDDのボトルネック

HDDはその構造の特性から、性能面ではほとんど進化していません。HDDは内蔵した磁気ディスク(プラッタ)をモーターで回転させ、磁気ヘッド(アーム)を移動して任意の場所にデータを書き込みます。パフォーマンス(I/O性能)を上げるためには磁気ディスクを高速回転させればよいのですが、ディスク回転数は最速でも15,000rpmで今後もI/O性能の進化は見込めません。CPUの処理速度はナノ秒(1/1,000,000,000秒)単位レベルで飛躍的に向上しているのに対し、HDDのアクセス速度はミリ秒(1/1,000秒)単位レベルです。つまり、いくら高性能なCPUを搭載したコンピューターであっても、HDDのアクセス性能がボトルネックになり、システム全体で十分なパフォーマンスが発揮できない状況が発生しているのです。

もう1つネックとして挙げられるのが、耐久性と信頼性です。

HDDは磁気ディスクが常に回転し、アームを移動させて書き込むという構造上、外部からの衝撃、振動、経年劣化などによる故障が発生します。また、近年、ストレージの高集積化(高密度)により、発熱の課題が顕在化しています。何千ものHDDを管理しているデータセンターのような環境では、HDDの交換/メンテナンスが頻繁に発生しているのです。

HDD搭載ストレージは、1台のHDDが故障してもシステム全体に影響がでないよう、RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)による冗長構成にし、故障したHDDを交換してデータを復元させます。しかし、この作業は、1本のHDD容量が大きければ、それだけ時間を要します。また、復元作業中はRAIDグループ内の他のHDDがフル稼働するので、作業中に別のHDDの訂正不能な読み取りエラーなどが故障し、データが消失してしまう危険性もあります。「RAID構成を取っているのでデータは安全」と考えるのは、大きな間違いです。

SSDとHDDの性能進化比較。パフォーマンス(I/O性能)ギャップは100万倍以上の開きがある

>>仮想化専用フラッシュ・ストレージTintri 詳細資料はこちら<<

[PR]提供:Tintri