エレクトロニクス産業は、いまや世界で年間2兆ドルをはるかに超える巨大な市場を形成している。ただ、市場の成長とは裏腹に、これを生業とする企業はいま、深刻な課題に直面している。製品ライフサイクルが短期化するに伴い、市場投入時間の短縮なしに企業は競争優位性を獲得するのが困難となっているのだ。

悩ましいのは、製品の開発工程が複雑化するなかにあっても市場投入時間を短縮しなくてはならないということ。競争優位性を保つために、エレクトロニクスに携わる企業は何に臨むべきか。このほどシーメンスがグローバルで開催したウェビナー「インダストリー4.0とエレクトロニクス製造のトレンド」 では、今述べた問いに対する有効なヒントが与えられた。キーワードとなるのは「デジタルデータの活用」だ。”課題をチャンスに変える方法” を掲げて催された同ウェビナーについて、本稿では一部を抜粋してお届けしたい。

ウェビナー
[日本語字幕あり] インダストリー4.0とエレクトロニクス製造のトレンド
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インダストリー4.0とエレクトロニクス製造のトレンド

アーカイブ配信では日本語字幕のもと、ウェビナーをご覧いただける。ぜひこちらから視聴してほしい。


「デジタルデータの活用」に、画一的な方法はない

あらゆるモノがつながることのできる今日、そこから生み出される膨大なデジタルデータを活用することが、開発工程の複雑さを克服し市場投入時間も短縮するうえで重要なファクターとなっている。

ウェビナーはこの「デジタルデータの活用」をテーマに据え、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア エレクトロニクス/半導体産業のプレシデント Fram Akiki氏と同部門 事業開発ディレクターであるOren Manor氏、製造オペレーション管理を司るFrank Schaldach氏、以上3名がディスカッションを行う形式で進められた。

1つの企業が抱えるデータポイントの数は100億を超えてきている

注目すべきは、ディスカッションの過程で出た、「デジタルデータを活用するための画一的な方法はない」という1つの結論である。IoT時代の到来を受け、1つの企業が抱えるデータポイント(データの生成元)の数は100億を超えてきている(右図参照)。ただ、データポイントとなる装置、システムの数、種類は膨大であり、その多くがいまだ標準化が進んでいない。当然ながら、企業ごとにそこで用いられる装置やシステムには相違がある。従って、画一的ではなく、企業ごと個別に調整したアプローチが、デジタルデータを活用するうえでは求められるのである。

企業ごと個別に調整したアプローチが、デジタルデータを活用するうえでは求められる


異なるインターフェースをつなぐ鍵とは

エレクトロニクスに携わる企業がデジタルデータを活用するのに画一的な方法はないが、モデルケースとなるアプローチは存在する。さまざまなインターフェースと互換性を持つ製造実行システム(MES)を導入することだ。

データポイントの分散

一般的に製造業では、事業軸(計画系システム)と製品軸(設計系システム)の2つの軸で、データポイントが分散している。この双方の交点にMESを整備し(右図参照)、このMESが「設計系システムと製造現場」「計画系システムと製造現場」の間にたってデータ収集とその評価を機能として担うことができれば、異なるインターフェースを持つ装置、システム間であっても、それぞれが生むデータを適切に収集して活用することが可能になる

MESの導入


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次のページでご覧いただける「インダストリー4.0とエレクトロニクス製造のトレンド」のアーカイブ配信では、MESを導入することでデジタルデータの活用を推進した実例を交えながら、”課題をチャンスに変える方法” について解説している。エレクトロニクス産業に関わる方にはぜひご覧をいただきたい。

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エレクトロニクス製造におけるスマート・ファクトリーの必要性と実現の手法について

また、つづく3ページ目では、ここまで述べたアプローチでスマート・ファクトリーの実現を果たした実例について日本語で解説するウェビナー「エレクトロニクス製造におけるスマート・ファクトリーの必要性と実現の手法について」の模様もご覧いただける。国内外の事例もまとめられているため、こちらもぜひ視聴してみてほしい。

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エレクトロニクス製造におけるスマート・ファクトリーの必要性と実現の手法について
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