デジタル化の進展が著しい昨今において、もはやデータは企業にとっての重要資産の1つと言っても過言ではありません。加速し続ける市場の変化に追随していくためには、データを最大限活用して最適な意思決定を下せるかどうかがポイントとなります。加えて、データ活用を本格的に推進し、データドリブンな文化を醸成するにはデータ分析基盤も必要です。

ここまで2回にわたってデータ分析基盤について解説してきましたが、第3回目の今回はデータ活用の課題や解決に役立つソリューション「Snowflake(スノーフレイク)」とデータ分析基盤を活用する意義やポイントについて、Snowflakeシニアプロダクトマーケティングマネージャー兼エヴァンジェリストのKT氏のお話を交えて解説します。

より多くの人が「最適解」を発見できるデータ活用

最近では、データドリブン、データ分析、データの一元管理、など、データに関するさまざまなワードを耳にするようになりました。そもそもなぜ、データの活用がこれほどまでに重要視されるようになったのでしょうか?データに対する注目度が高まった理由や背景について、Snowflakeでシニアプロダクトマーケティングマネージャー兼エヴァンジェリストを務めるKT氏は次のように語ります。

  • (写真)KT氏

    Snowflakeシニアプロダクトマーケティングマネージャー兼エヴァンジェリスト KT氏

KT氏 プロフィール

人々にデータを届けるため世界のデータをモビライズするグローバルネットワーク「データクラウド」の実現に奔走するSnowflakeエヴァンジェリスト。
プロダクトが掲げるビジョンを伝導し、文化の源泉であるコミュニティ作りを生業とする。約2000名の卒業生を輩出するDATA Saber制度の創設者。

「まず、あらゆる業務がデータ化されるようになったことが大きな要因の1つです。これまでは、デジタルマーケティング、ECサイトに代表されるようなデジタルでおこなわれる業務にデータを活用し、それ以外のリアルでおこなう業務は経験や勘を頼りにしてきました。しかし現在は、リアルでおこっていることもデータ化することができるようになっています。

わかりやすい例としては、人流データです。センサーやGPS、防犯カメラなどを活用することで、目で見て確認するのではなく、記録されたデータによって人の流れを知ることができるようになりました。このように、さまざまな事象が“データとして取れるようになったこと”が、データ活用に対する注目度が高まっている理由の1つと言えます」

IT技術の進歩が進むにつれて、企業活動においても、これまで紙面やメール・電話などをベースに行ってきたさまざまな業務をシステム化するなど、IT活用が積極的に進んできました。それに伴い、業務で取り扱う膨大かつ多種多様な情報はデジタルデータとして保存されるようになりました。

データの注目度の変化について、KT氏は次のようにも述べます。

「もう1つの理由は、“データを使える人”が増えたことです。セルフサービスで使えるBIツールが普及し、データを使える道具が人の手に渡るようになったことで、専門知識がなくても簡単にデータを活用できる環境になりました。また、ひと昔前までは、膨大なデータを管理・運用するリソースの確保にも多くの時間とコストがかかっていましたが、最近では大手クラウドベンダーが提供する、安価で手間のかからないリソースの確保も可能になっています。

そのため、必要なデータが取れるようになり、そのデータを活用できる人が増え、さらには、そのデータを管理できるリソースも手に入りやすくなった、この3つの柱が揃ったことで、データを活用することが当たり前になってきています。そのため、ビジネスにおいてデータを有効的に活用できなければ淘汰されてしまう、勝ち残れない、といった背景も、データ活用の注目度が高まっている理由だと考えています」

業務で何らかの判断を求められたとき、かつては過去の経験や勘を頼りにしながら最適解を探っていた企業も多いでしょう。しかし、今ではデータをうまく活用することで、長年の経験をもたない従業員でも正しい解を導き出せるようになりました。こうしたデータドリブンな取り組みはすでに多くの企業で実践されています。

言い換えれば、データは自分自身が出会うことのなかった経験を共有できるものともいえます。自身が直接関わったことはなくても、データを見ることによって「あたかも自分が経験したかのように」最適解を導き出すことができます。

KT氏はデータの価値について次のように続けます。

「データは共通言語もしくは共通認識のように使うことができ、それぞれ異なるバックグラウンドを持つ人々が同じ事実に基づいて意見を交わし、新たな発見へとつなげることも可能です。これこそが、先行き不透明な時代においてビジネスを推進するうえで欠かせない“データドリブン文化”の醸成につながります」

データ分析基盤構築に立ちはだかる“野良データ”問題

第2回目の記事で解説した通り、現在はデータの量が爆発的に増えています。企業はデータを適切に管理できる体制の構築が求められており、これを実現するためには「データ分析基盤」の利用が欠かせません。データ分析基盤を導入すれば、データの管理・参照・分析などを一気通貫に行えるようになります。データを生かせる環境を整えて、初めてデータドリブンな文化を醸成することができます。

そして、データ分析基盤を構築するためには、必要なデータへスピーディーにアクセスできる環境づくりが求められます。

しかし多くの日本企業では、個別の情報システム環境にデータが散在しているケースが多く、どのようなデータがどこにあるのかを把握することが困難になっています。その他にも、個々人がExcelを用いてデータを分析している、高額なデータウェアハウス(DWH)を構築しても業務に利用するには重すぎて使いにくいためデータをダウンロードして使用している、などといった状況に陥っているケースも散見されます。

KT氏は、適切に管理されずに散在している「野良データ」について、次のように指摘します。

「どこで管理されているのか分からないデータへアクセスすることは難しく、そもそもどう処理されているのか把握していないデータを重要な意思決定に活用することは危険です。この野良データ問題は、日本のみならず世界中の企業が頭を悩ませており、データドリブンな意思決定を阻む課題ともなっています」

ますます求められる「データのモビライズ」

では、データドリブンな意思決定を行うためにどのような基盤が必要となるのでしょうか。

「このデータへアクセスしたい、さまざまな粒度でデータを参照したい、この業務にデータを活用したいなど、ユーザーのニーズは多様化しています。近年ではデータアナリティクスだけではなくデータサイエンスへの要求も高まっています。ユーザーから寄せられるあらゆるニーズに1つのプラットフォームで応えられる、柔軟かつ弾力性のあるサービスを選定することが求められます」(KT氏)

この有効なソリューションの1つとして挙げられるのが、クラウドでデータプラットフォームを提供する「Snowflake」です。

“世界のデータをモビライズする”というミッションを掲げるSnowflakeは、「企業のデータ活用プロセスをより簡単なものにする」「サイロ化されたデータを一元管理して誰もが意思決定しやすくなるデータ活用文化の醸成を行いやすくする」という2つの点で大きなメリットをもたらします。各種規制に準拠している安全な方法で、データを統合・分析・共有できる点も特筆すべきポイントだと言えるでしょう。

「Snowflakeは構造化・半構造化データ・非構造化データなど、さまざまなデータを格納することができます。処理するものに合わせて個別にコンピュートリソースを割り当てられるので、多くの人がアクセスしてもパフォーマンスが落ちることはありません。“データをモビライズ”するSnowflakeは、必要なときにすぐ手元でデータを参照できる利便性の高さが特長です。Snowflakeのプラットフォームを用いることで、データへ瞬時にアクセスできるほか、データコンシューマー、データプロバイダー、サービスプロバイダーなどの多様な立場の企業がデータやアプリケーションを即時に連携できるメリットもあります」(KT氏)

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昨今では、連携を実現する「データシェアリング」が特に重要なキーワードとなります。ビジネス環境が複雑化する中、自社が保有しているデータだけでは種類が足りず、適切な意思決定を行うことができないというケースも増えてきました。このデータシェアリングについて、KT氏は次のように語ります。

「いまやあらゆる業界でシェアリングサービスを活用したコラボレーションは当然のものとなっています。ユーザーは、どのようなサービスが世の中に提供されているのか、どのサービスを選べば自社ビジネスの加速に貢献できるのかアンテナを張ることが重要です。他のサービスを活用することで自社はどのような専門性や価値を世の中に提供できるのか、あらためて考え直すことも求められるでしょう」

世界規模で利活用されているグローバルなネットワークを提供するSnowflakeであれば、さまざまな企業が社内外のデータを柔軟に活用して、よりデータドリブンで高度な意思決定を行えるようになります。

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世界中のユーザーから愛されるSnowflake

ユーザビリティに優れている点も、Snowflakeが世界中の企業から利用されている理由の1つです。Snowflakeはデータの一元管理に限らず、さまざまな機能を提供することができます。伸縮性のある高性能エンジンを備えているため、多様なワークロードに対して迅速に対応可能です。

Snowflake内部に構造化データ、非構造化データを問わずあらゆる形式のデータを蓄積でき、圧縮率が高く、容量制限もないストレージを有しています。また、Snowflakeの環境の外にすでにデータを蓄積している場合、既存のクラウドストレージを活用することもできます。今後、一部のオンプレミスストレージやオープンソース形式のデータへの接続も可能となります。

データとストレージを分けるというSnowflakeならではのアーキテクチャによって複雑なデータパイプラインなしにデータを外部組織へ共有することができます。Snowflakeを使えば、複数組織間のデータの移動・コピー・統合にかかる時間やコストをほぼ0にできます。

「Snowflakeは、非常に柔軟かつ弾力性のあるデータ分析基盤です。こうしたプラットフォームを活用すれば、データドリブン文化の醸成やデータ利活用における共通言語・共通認識の確立も容易になるでしょう。あらゆる行動をデータ化できるようになった昨今において、データを参照せずに経営判断を下すことは目を閉じて車を運転することと同じです。データを苦労して収集・整理する時代は終わりました。ぜひSnowflakeでデータの管理・分析・利活用・共有を効率化してください」(KT氏)

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