あらゆるモノがネットワークにつながる「IoT(モノのインターネット)」を実現するための通信手段として注目が集まる「LPWA」について、上下2本立ての記事でご紹介します。

「知ってトクする!無線LANのコト IoTを実現する通信手段 LPWA【前編】」はこちら

世の中にあふれるたくさんのモノをネットワークで接続する、IoTに適した無線通信方式がLPWAです。前回に引き続きLPWAとはいったいどういうものなのか、ほかの無線LAN規格との違いや特徴、そして一般利用が間近に迫るLPWAの新たな規格「IEEE802.11ah/別名 Wi-Fi HaLow(ワイファイヘイロー)」の可能性についてご紹介していきたいと思います。

  • 無線LANのイメージ

5GやWi-Fi、Bluetooth、RFIDなどほかの電波との違いは?

前回の記事ではLPWAについていろいろとご紹介してきましたが、後半ではまずLPWAとほかの無線LAN規格の違いや特徴についてお話ししていきたいと思います。

私たちの身の周りには5GやWi-Fi、Bluetoothなどたくさんの無線通信規格がありますよね。IoTに適していると言われるLPWAですが、ほかの通信規格はIoTには適していないのでしょうか?

IoTを実現するうえで注目されている技術に5Gがありますが、こちらは「高速通信」や「大容量通信」、「低遅延化」といった特徴があります。ただ、5Gは大手通信業者であるキャリアが提供するライセンス型の通信となるため、運用するうえで通信コストがかかるなどの課題もあります。高速大容量の通信が必要なく、低コストな通信方式が求められるセンサー情報の収集などにおいては、LPWAの方が向いているといえるでしょう。

5Gの一種で、企業や自治体などが限定したエリア内で利用できる「ローカル5G」と呼ばれる通信手段があります。大手通信業者であるキャリアが運営する5Gは全国で展開する通信サービスであるのに対し、企業や自治体が建物や敷地内といった特定のエリアで自営の5Gネットワークを構築して運用できるという特徴があります。しかし、ローカル5Gを運用するには無線局免許の取得が必要であることや、基地局の整備に多額の費用がかかるといったデメリットもあります。用途や目的、導入にかかる労力や初期費用、通信費などを踏まえもっとも適した通信手段を選択するのがよいでしょう。

Wi-FiやBluetoothなど、私たちがスマートフォンを使う際に用いる通信手段とLPWAの大きな違いは、その伝送距離にあります。Wi-FiやBluetoothがカバーできる範囲は、半径10メートルから最大でも数百メートル程度と限られます。一方のLPWAは、半径数キロ~数十キロの範囲をカバーできることが特徴となります。広範囲のエリアに設置したセンサー機器の情報を収集するためには、LPWAが最適な手段になると考えられますよね。

"RFIDタグ"など、コンビニなどの小売店や物流倉庫などで商品管理に使われているRFIDという通信方式があります。RFIDとLPWAの違いについては、RFIDの通信範囲が1メートル程度に限られるということもありますが、RFIDはバーコード情報や交通系カード、電子マネーカードなどの人工的なデータを読み取る"リーディング"技術に強みがあります。一方のLPWAは、動きや温度、明るさなどの自然発生的な情報を感知するための"センシング"に強みがあり、使い分けがされているそうです。

  • 無線LANのイメージ2

LPWAが普及することで私たちの生活にどのような変化や影響があるの?

LPWAが普及することで、私たちの生活にどのような影響を及ぼすのでしょうか。IoTを実現するための通信手段ということで、今後より一層の普及が見込まれますが、この技術は私たちの身の周りで実際にどのように使われているのでしょう。

LPWAは、産業活動や公共サービスはもちろん、個人の生活にいたるまでのさまざまなシーンで情報を収集して、集めたデータを"見える化"するための手段になっています。具体的には、LPWAで接続したセンサー類を使い、離れた場所にあるモノやその周囲の状況を把握することができるようになります。そして、センサーによって取得した情報をもとに、ネットワークに接続した機器を作動させるといった制御が可能になります。監視機能と制御機能を組み合わせることで、システムの自動化や最適化を実現することにつながります。 最終的には、LPWAで接続した機器やセンサーから得たデータをAI(人工知能)で分析し、ネットワーク上の機器を自律的かつ継続して運用するといったことも可能になり、人の手がかからない効率的なソリューションを生み出すこともできるようになります。

たとえば、産業の分野であれば工場内の機器の効率的な稼働を支えたり、物流や輸送における効率化を実現することが可能になります。農林水産業といった第一次産業の分野においても、センシング機器を活用した情報収集による環境変化の把握や収穫の効率化などに技術を活かすことができるでしょう。公共サービスの分野であれば、河川の水位を計測するネットワークを構築して河川氾濫などの自然災害による被害を未然に防ぐ手段として活用することも可能です。将来的には、個人の生活における場面での活用も想定されており、スマートシティなどを支える技術にもなり得ると期待されています。

  • スマートシティのイメージ1

今後も進化するLPWAの新規格『Wi-Fi HaLow(IEEE802.11ah)』

このようにあらゆる可能性を秘めたLPWAですが、今後新しい規格が使われるようになることで、性能や利便性はより一層高まっていくものと思われます。

現在(2022年6月時点)一般利用に向けて準備が進められている「Wi-Fi HaLow(IEEE802.11ah)」と呼ばれるLPWAの新しい通信規格では、従来のLPWAの通信方式に比べて伝送容量が大きくなることで、監視カメラで撮影した画像や映像などを送受信できるようになると期待されています。

映像の送受信がLPWAで可能になれば、たとえばセンサーで取得した河川の水位情報に加えて、河川の水位の状況変化を遠隔からリアルタイムで目視できるといったことも可能になります。現地に赴く必要がなくなり移動の負担や危険回避に役立ちます。また、広い敷地をもつ農園などにカメラを設置してWi-Fi HaLow(IEEE802.11ah)でネットワークを構築すれば、イノシシや鹿による農作物への被害を見守ることも可能になります。

私たちの身近なところでは、オフィスの空調やエレベーターなどのビルメンメンテナンスといったケースで、画像による設備の監視・管理ができるようになると想定できますし、ご家庭においてもカメラによる防犯や、介護のための見守りといったシーンにWi-Fi Halow(IEEE802.11ah)を活用できるのではないかと考えられます。

  • スマートシティのイメージ2

人手不足による省人化・効率化が求められていく将来に向けて、LPWAの用途は幅広く増えていくものと考えられています。さまざまな種類があるLPWAですが、それぞれの規格が適材適所で多くのシーンで活用されるようになると予想されます。私たちの身の周りでもLPWAが当たり前に使われるようになってくることで、生活がより一層豊かになっていくものと期待されます。

  • アセラにゃん

◇Wi-Fi HaLow (IEEE802.11ah)をもっと知りたい方はコチラのページもご覧ください!

Wi-Fi HaLow (IEEE802.11ah)に関する過去記事はこちら
https://news.mynavi.jp/techplus/kikaku/20210128-1644379/

フルノシステムズからの提案!「未来のつながり方を、創ろう。」
https://www.furunosystems.co.jp/feature/

[PR]提供:フルノシステムズ