ICTを駆使した独自のデジタル マニュファクチャリング システムにより、カスタムパーツの試作から小ロット生産をオンデマンドかつ画期的な速さで受託製造するプロトラブズ。
国内でも3,000社様近くにご利用頂いている同社から、切削加工および射出成形品を効果的かつコスト効率良く設計し、材料を選択するためのアドバイスや提案をお伝えします。

プラスチックは代替材料の代表格で、象牙やべっ甲に代わる材料として19世紀後半から使用されるようになりました。昨今はLED電球が従来の金属フィラメントを使った電球に急速に取って代わりつつあり、その構成部品においてはポリカーボネートやアクリルなどのプラスチックに加えて、光学用の液状シリコーンゴム(LSR)が、ガラス製の光学パーツの代わりに利用されるようになっています。

光学用のLSRは、これまで様々な光学パーツに使用されてきたガラスに取って代わる、透明で柔軟な熱硬化性の材料

エジソンの時代から、ガラスは電球の材料として最もふさわしいものだと考えられてきました。安価で、ほぼ無色透明、製造工程が確立されていて、白熱光が発するかなりの熱にもそれほど影響されません。しかし、無駄な熱が発生する、言い換えれば電気の浪費が、実は従来の電球が使われなくなってきている理由なのです。その熱による高温がフィラメントの寿命に影響し、電球を頻繁に交換しなければならない理由にもなっています。一方、現時点でLEDは白熱球よりも製造コストが高いものの、優れたエネルギー効率と長寿命という利点がコストを補ってあまりあります。ガラスは筐体用途、カバー、光を通す役割でも多様に使えますが、光学用LSRはそのどれに対しても、より優れた選択肢になります。以下がその理由です。

光学用LSRがLED照明パーツに適している13の理由

  • 光学用LSRは可視光線から紫外線までの波長の光に対して、高品質のガラスと同じくらい透明です。
  • 経時変化や熱、紫外線によって退色したり、透明性を失ったりすることがありません。
  • ガラスやその他の多くのプラスチックと比較しても、軽量です。
  • ガラスよりもしなやかで割れにくい特性を持ちつつも、一般的なシリコーン製の耐熱皿と比較すると、かなり硬いという性質があります。耐熱皿に使用されるシリコーンの硬さは、デュロメーター硬さ40~50ですが、光学用LSRの硬さは70です(参考までに一般的な靴のかかとの硬さは約80です)。また光学用LSRの弾性は、振動や風にさらされる自動車のヘッドライトのレンズなどにも適しています。
  • さらに、光学用LSRは、引っかきやひび割れに対して強く、機械的、光学的な特性も劣化しにくいのです。光学用LSRでできたパーツをカッターで切ることはできますが、地面やざらついた面の上を引きずっても、その表面には傷がつきにくいということも特長です。
  • LSRは、150℃までは光学的にも機械的にも安定しています。LEDは白熱球よりは発熱が少ないとはいえ、このことは重要です。
  • 光学用LSRが持つ幅広い実用温度域、紫外線に対する安定性、そして柔軟性は、アウトドア用品にも最適です。
  • 柔軟性を備えた材料であるため、レンズとシール材を組み合わせた設計にすることができます。結果としてパーツ数を減らすことができ、在庫管理の手間や、アセンブリの工数削減にも繋がります。
  • 液体の状態において着色し、多彩なカラーバリエーションを持たせることができます(光学用LSRの着色は、プロトラブズではまだご用意がありません)。

LSRパーツの製造プロセスは、ガラス製品の生産設備と比較して、使用するスペースも電力も少なくてすみます。それは試作や小ロット生産に向いているということにも繋がります。

光学用LSRの高い実用温度域、紫外線に対する安定性、柔軟性はアウトドア用品への適用に最適です

光学的な性能の拡張性に加えて、光学用LSRにはパーツ設計と射出成形自体をシンプルにする特性を備えています。

  • 粘性が低いため、成形中の樹脂流動がスムーズです。材料は肉厚の薄い部分もスムーズに流れ、小さな空間も充填することができます。このような成形上の特徴があるため、デザイナーや設計者は、材料の成形性を比較的意識せずに、より自由にパーツの機能や外観を設計することができます。なお、低粘性によって、金型の合わせ目でバリが発生しやすくもなりますが、パーティングラインをシンプルにすることで、その発生を低減することができます。
  • 光学用LSRは大きなヒケや内部応力を発生させることなく冷却され、その寸法的な安定性は、精度の高いレンズの製造に向いているといえます。 ヒケの可能性が低いことで、他の樹脂を使用する場合よりも、さらに肉厚のあるパーツの設計が可能になります。
  • 表面を磨いた金型で成形することができるため、個々のパーツを後加工で磨く必要がありません。これは製造にかかる時間とコストの低減に繋がります。
  • ゴムのような弾性を持っているため、硬いプラスチック材料では対応できない、微細なアンダーカットや逆勾配を持つ形状でも、無理抜きや置き駒などを使うことで離型することができます。

まとめると、光学用LSRは、様々な照明・光学パーツに対して理想的な熱硬化性樹脂であるといえます。ガラスに次ぐ透明度を誇り、LEDの熱に対する耐熱性を持ち、幅広い温度環境で実用的に使用できます。アウトドアや自動車など過酷な環境でも使用できる柔軟性も備えています。さらに、微細な形状の再現性にも優れているため、パーツをより自由に設計することができます。また、パーツの肉厚に関わらず、少々のアンダーカットや逆勾配があっても、金型から離型することができます。さらに、この材料を使うことで、複数パーツを一つのパーツに統合できる可能性もあるかもしれません。

プロトラブズでは、Dow Corning MS-1002という照明・光学パーツの成形に適した光学用LSRを在庫しており、パーツの試作、小ロット生産(5,000個程度)を承っております。LSRに関するご質問など、ぜひ弊社のカスタマー サービス エンジニアにお問い合わせください。

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光学用液状シリコーンゴム無料サンプルについてはカスタマーサービス宛にご連絡ください(一般的なLSRのサンプルと設計ガイドは、こちらからご請求ください)。

ご参考:

CNC旋盤加工パーツ設計ガイド
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本コラムは、プロトラブズ合同会社から毎月配信されているメールマガジン「Protomold Design Tips」より転載したものです。

これまでの連載「ものづくりを強くする-Protomold Design Tips-」はこちら >>

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