毎月IoTにまつわる様々な用語をわかりやすく解説する『3分でわかるIoT関連用語集』。今回は「 LPWA(LPWAN)」を取りあげる。
LPWA(LPWAN)
エルピーダブリューエー(エルピーワン)はLow Power Wide Area (Network)の略語で、その名の通り小さな電力で広域をカバーできるネットワークである。この単語自体は実は、ずいぶん前から存在していた。ただ、最近よく取り上げられるようになった背景のひとつには、IoTとのつながりがあると言われている。
IoTの発展に伴い、時には数万の単位でデバイスがネットワークに接続することも珍しくはなくなった。そこで表面化してきたのが、その通信コストである。LPWANとほかの手段を比較するとその優位性がわかりやすい。Bluetoothなどの無線は、電力消費は小さいが、電波が障害物に当たると通信が途絶えてしまう可能性があり、数十メートルの広域にデータを扱うには向いていない。逆に広域でデータを扱うのが得意なLTEは、デバイス側で大きな電力が消費されるため、大量のデバイス側への電力供給がどうしても、ネックになってしまう。両者の良い点をバランスよくあわせもったLPWANが、IoT/M2M市場で注目されるのもうなずける。もちろんLPWANも万能というわけにはいかず、実は一度に通信できる容量が限られている。通信のいわゆる「上り・下り」のうち、「上り」が主体であるところにも留意しなければならない。
LPWANの規格には複数あるので、用途や規模によって選択することができる。いわゆる三大規格といわれるものが「SIGFOX(シグフォックス)」、「LoRA(ローラ)」、「NB-IoT(エヌビーアイオーティー)」である。3者の違いは大きく、回線利用料金(無線周波数帯利用料)の有無にあると言える。SIGFOXとLoRAは、無料で利用できる周波数帯を使ってビジネスを行っているため、回線利用料金がかからない。対してNB-IoTは、回線料金は無料ではない。ただしNB-IoTはその分、他の規格に比べてやや容量の大きいデータを扱える点がメリットとされている。総務省の資料にはNB-IoTに並んでeMTCも紹介されていて、扱えるデータ量はさらに大きい。4者のそれぞれの特徴を総務省の資料から抜粋した表を、以下に添付した。
参考:総務省資料「IoT時代の無線通信システムの検討状況」より
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