ビジネスにおけるリスク対応の奥の手として、業務で扱うシステムやデータのバックアップは必須。Arcserveが提供する統合バックアップソフトウェア「Arcserve Unified Data Protection(以降 Arcserve UDP と記載)」は、仮想基盤を含む複雑な環境のバックアップや、災害対策・業務継続の高度なニーズに応えるソリューションだ。

Arcserveは、その機能の奥深さと簡単な操作性を実感できる無償ハンズオンセミナーを定期的に開催している。Arcserve UDPによるバックアップ/復旧の基本を体験する「Arcserve UDP<前編>簡単、まるごと、イメージバックアップ」に続き、応用的な活用方法を理解できる後編の様子をお届けしよう。

  • セミナーの様子

※記事内で使用している操作画面はマニュアルより抜粋しているため、操作画面上の日付は取材日とは異なっております。

さまざまなニーズに対応するArcserve UDPの充実機能とは

「Arcserve UDP<後編>災害対策、業務継続を適切なコストで実現」は、Arcserve UDPのさまざまな活用方法を実践しながら理解できるプログラムとして構成されている。まずはArcserve UDPで可能な統合バックアップの概要について解説され、Arcserve UDPで実現できる仮想化統合基盤のバックアップ、災害対策・業務継続といったテーマに展開し、最後に便利機能やライセンス活用法、参考情報なども紹介される。

TECH+取材チームは、2023年4月13日に行われた後編のプログラムに参加。最初に講師から、Arcserve UDPがフォーカスする「簡単」「仮想」「災対」という3つのポイントについて説明があった。

  • 講師の福田康幸さん①

    丁寧に解説してくれる講師の福田さん

「簡単」は前編でも紹介したとおりだが、それに加えて規模や物理・仮想・クラウド、またWindows・Linuxを問わず簡単にバックアップできるのが大きな特徴だ。

「仮想」は、近年のバックアップで欠かせない要素である。一つのホスト上に複数システムが載った仮想化統合基盤の環境をまるごとバックアップできるだけでなく、仮想基盤に統合できない物理サーバやテープへのバックアップも一元管理。

そして「災対」は上記2つの特徴を活かし、コストを抑えながら災害対策・業務継続に資する機能を標準で実現する。この3つのポイントを前提に、管理者の負担を軽減する多くの機能を標準装備しているのがArcserve UDPの優位性といえる。

Arcserve UDPのコンポーネントは、「エージェント」、「コンソール」、「復旧ポイントサーバの3つで構成される。物理・仮想マシンのバックアップを実行する「エージェント」、物理・仮想・クラウドを問わず一元管理画面を提供する「コンソール(統合管理サーバ)」、バックアップデータの格納庫「復旧ポイントサーバ」となり重複排除によるデータ量削減や、遠隔地への二次複製(災害対策)を実現する。前編はこのうちエージェントのみを使ってバックアップと復旧の基本を見ていったが、後編ではフルコンポーネントを活用したより高度な使い方が紹介された。

仮想化統合基盤の柔軟バックアップを実現する仕組み

次に、仮想化統合基盤のバックアップに話が進む。Arcserve UDPでは、一つの仮想ホスト上に複数のシステムが載った環境で求められる機能をいくつも実現している。

1つ目は、仮想マシン(ゲスト)にエージェントをインストールせず、これによって仮想マシンに与えるリソース負荷などの影響を最低限に抑えられるエージェントレスバックアップ。2つ目は別の場所やバージョンが異なる同一ハイパーバイザへの復旧。そして3つ目はエージェントレスのバックアップからファイル単位でリストアできる点だ。

エージェントレスに対応している仮想環境はVMware vSphere、Microsoft Hyper-V、Nutanix AHVの3つ。もちろんそれ以外の仮想環境でも、エージェントをインストールすれば高度なバックアップが可能だ。エージェントレスはとにかく手軽で負荷を軽減できるのが利点であり、対してエージェントを使うバックアップは仮想マシンでも物理サーバと同様のバックアップ運用を実現できる。

エージェントレスのバックアップは、仮想ホストがゲストのスナップショットを作成し、エージェントをインストールしたサーバがハイパーバイザに対するバックアッププロキシサーバとして振る舞うことで、バックアップを実現する仕組みだ。バックアップ先やスケジュールは物理サーバと変わりなく、継続的な増分バックアップはもちろん重複排除も利用可能。かつ、仮想マシン単位、ファイル単位のどちらでも復旧できる。また、仮想マシン内にインストールされたVSS対応アプリケーションはオンライン(無停止)バックアップが可能だ。

ここで講師がエージェントレスバックアップのデモンストレーションを披露。vSphere ESXi上にWindowsの仮想マシンを2台設置した環境で、ノード追加やプラン作成、バックアップを実行する様子を実演した。

  • (操作画面)ノードの追加

    ノードの追加

  • (操作画面)プランの作成

    プランの作成

  • (操作画面)バックアップの実行

    バックアップの実行

企業を悩ませるBCP/DR対策に力を発揮する数々の機能

Arcserve UDPを使えば、企業・組織において重要な課題である災害対策と業務継続を低コストで実現できる。では具体的に、バックアップしたデータを災害対策と業務継続にどう活用するのか。

Arcserve UDPは、災害対策ソリューションに求められる多くの機能を実装している。まずはバックアップデータの遠隔転送。地理的に離れた場所にバックアップデータをレプリケート(複製)しておけば、災害が発生した際もデータが守られ、業務を継続できる。

このバックアップデータの遠隔転送について、講師からさらに詳細な解説が行われた。Arcserve UDPは重複排除で容量を減らしたデータを遠隔地に転送してレプリケートできるため、ネットワークの負荷を減らしつつ、業務継続対策を強固なものにできる。かつ、災害対策サイトへの長距離通信では、パケットロスなどの問題が発生することも考えられるが、転送中にネットワーク回線が切れても復旧後に続きの部分から転送できる機能も備えている。

  • (説明図)バックアップデータを遠隔地へ転送できるArcserve UDP

このあとレプリケート機能を体験するハンズオン演習が行われ、転送先の復旧ポイントサーバを追加→プランにレプリケートタスクを追加→プランの実行→復旧ポイントの確認、という流れで進められた。

  • 実機操作で演習する様子

    実機操作で演習する様子

ところで、実際に災害が起き、遠隔地にレプリケートしたバックアップデータをもとにシステムを復旧する際、現地にエンジニアがいればいいものの、いない場合はどのようにして復旧すればいいのか。当然ながら、遠隔地側で復旧作業ができなければ業務開始までに時間がかかってしまう。

Arcserve UDPには、こういった災害時に利用できるバックアップデータから待機用仮想マシンを自動作成する機能がある。これを利用すると、仮想マシンを立ち上げるだけで業務継続が可能となる。さらに、バックアップデータを利用して仮想マシンを起動する機能も持っている。

業務サーバに障害が起きた後、復旧済みの仮想マシンを起動して業務を継続できる機能が「仮想スタンバイ」だ。障害時には仮想マシンを起動するだけなので、スムーズで素早い業務再開が可能になる。仮想マシン起動時に、適切な時点を選択して復旧できるのもポイントだ。一方、バックアップデータを仮想環境にマウントして起動し、本番サーバ代わりに利用できるのが「インスタントVM」。こちらは業務継続のサーバを取り急ぎ起動したいときや、万が一、ウイルス感染した状況でチェックツールを動かしたいときに有効な機能といえる。

仮想スタンバイとインスタントVMの違いは、インスタントVMは仮想マシン格納用ストレージ領域が不要で、あくまで業務継続の場つなぎに用いるものであるのに対し、仮想スタンバイは仮想ディスクに直接アクセスするのでリアルなストレージが必要だが、レスポンスは速いという点が挙げられる。そのほか、インスタントVMはWindows/Linux双方の環境に対応する一方、仮想スタンバイは保護対象サーバがWindowsプラットフォームのときにのみ使える機能である点も異なる。

  • (説明図)仮想スタンバイ サーバーによる業務継続(Windows)
  • (説明図)インスタントVMで本番サーバの替わりを即利用(Windows,Linux)

Arcserve UDPのサーバ復旧の方法にはこの仮想スタンバイ、インスタントVMに加えて、任意のタイミングで仮想マシンを復旧する「VMの復旧」、前編で紹介されたベアメタル復旧があり、環境やリソース、時間、プラットフォーム等に応じて柔軟に使い分けられるのがアドバンテージだ。

参加者の声と講師からのメッセージ

このあと、ここまで紹介された以外の部分でArcserve UDPが力を発揮する機能の数々が解説された。まずはセキュリティ関連で、コンソールの多要素認証対応や、データストアのドライブレターをなしにできる機能を説明。そのほか、Arcserve UDPのイメージデータをテープにコピーできる機能や、バックアップデータの健全性を自動確認するアシュアードリカバリ機能、Microsoft365のバックアップなどについても説明が加えられた。アシュアードリカバリ機能はこれまで上位エディションでしか利用できなかったが、バージョン9.0から標準機能になったものだ。これに関しては復旧テストを体験する演習も行われた。

そして最後にArcserve UDPのライセンス体系に関しても解説を施し、約3時間半にわたるプログラムが終了した。

受講した参加者からは、「講義・ハンズオン・操作デモのバランスが素晴らしく、セミナーの構成がとても良かったです」「ムービーでの説明もあり分かりやすかったです」といった声が寄せられている。

後編の講師を務めたArcserveの福田康幸さんは、これからの参加者に向けて次のようなメッセージを送ってくれた。

  • 講師の福田康幸さん②

    arcserve Japan合同会社
    講師 福田康幸さん

「後編はArcserve UDPのフルコンポーネントを使い、ビジネスの継続や災害対策など高度なニーズのソリューションとなる多彩な機能を余さず説明していきます。そのため、最低限のITの知識は必要ですが、基本的にはスキルレベルなどに関わりなく、バックアップに関心を持つあらゆる方に参加していただきたいと考えています。ただし、前提知識として前編を受講いただいたほうがより理解しやすくなるでしょう。

Arcserve UDPは、フルコンポーネントを活用することで小規模から大規模まで、また物理・仮想・クラウドにかかわらず、まとめて対応できるような工夫が随所に凝らされています。従来、災害対策や業務継続に向けた構成を組むのは非常に複雑でしたが、Arcserve UDPではそれを簡素化して提供できる点が最大のメリット。後編ではその優位性について存分に説明します。

入門編の前編と異なり、後編では業務に関わる具体的な質問や、実際の案件を前提とした質問を受ける機会が多くあります。案件相談の時間も設けていますので、まずはセミナーに参加し、Arcserve UDPがなぜ多くの企業に選ばれているのかを理解いただいたうえで、わからないことや不安な点はなんでも気軽にご質問ください」

無償ハンズオンセミナー【無償実機トレーニング】
のお申込みはこちら

前編のレビュー記事はこちらから

関連リンク

・本記事で紹介した無償ハンズオンセミナー「Arcserve UDP <後編> 災害対策、業務継続を適切なコストで実現」へのお申し込みはこちらから

https://marketing-navi.jp/seminars/hpeegv/seminar_5

・Arcserve Japan公式HP

https://www.arcserve.com/jp

・「Arcserve Unified Data Protection(Arcserve UDP)」の詳細はこちら

https://www.arcserve.com/jp/products/arcserve-udp

[PR]提供:Arcserve Japan