エッジの性能を強化

人工知能(AI)や機械学習、IoTのポテンシャルを最大限に引き出すためには、エッジコンピューティングが不可欠です。自律運転やスマートビルディング、ロボティクス、サプライチェーン管理、ヘルスケアなどのアプリケーションは急成長しており、これらを提供するAIコンピュータには素早い応答が求められます。ところが、遠隔地の大規模データセンターにあるクラウドコンピュータではスピードが不足します。コンピューティングとデータ転送のスピードを上げるためには、AIプロセッサとスマートデバイス、つまり「エッジ」の距離を近づける必要があります。急成長する「エッジ」への給電は大きな課題であり、高性能のプロセッサへ給電する信頼性が高くコンパクトな電力供給ネットワークが不可欠です。

  • 技術的な3つの課題

コンパクトなユビキタスコンピューティングを提供する

HIRO社はオランダのテクノロジーベンチャー企業で、インテリジェントエッジのサービスを提供する高性能で信頼性の高いエッジインフラ(ハードウェアおよびソフトウェア)を開発しています。エッジマイクロデータセンター(EMDC)とは、拡張性が高くコンパクトで過酷な屋外の環境でも稼働する、エッジコンピューティングリソースです。EMDCには、CPU、GPU、FPGA、NVMe(不揮発性メモリ・エクスプレス)メディアなどを、種類や数を問わず、組み合わせることができ、1.5kWの靴箱サイズから500kWのコンテナ型エッジ設備まで提供できます。これらのプラットフォームは完全なソリッドステートでモジュール構成になっており、メンテナンスをほとんど必要とせず、冷却のためのエネルギーも必要ありません。

HIRO社はエッジコンピューティングで地域社会に貢献しており、EMDCによる病院の支援に特に力を注いでいます。心疾患、がん、腫瘍、その他の複雑な疾患の発見と治療に役立つAIモデルを、プライバシーを保護しながら構築するための、高性能で信頼性の高いエッジ環境を開発しています。

  • HIRO社のエッジコンピューティング

    HIRO社のエッジコンピューティング

高電力密度・高効率の電源が、拡張性が高く、高性能なエッジコンピューティングを支える

配電電圧を12VDC から48VDC に変えることで、電力変換機能は極めてコンパクトで高効率になります。電圧を高くすることで、電力供給ネットワーク (PDN)全体の I2R損失を1/16に減らすことができます。Vicorの高電力密度・高効率の電源モジュール DCMを使うことで、HIROが設計するEMDCの、ソリッドステートで放熱に優れ、コンパクトでエネルギー効率が高いという特徴が実現します。例えば、標準的なCOM Express® モジュール (computer-on-module) を使用した従来のソリューションでは、3Uサイズのシャーシで約3kWまでの電力を使います。この電力を高効率で変換することは、EMDCのパフォーマンスにとって極めて重要です。HIROのEMDC設計をサポートしたハンガリーのハードウェア設計会社であるPCB Design 社 は、小型・高効率で温度特性が良いVicorの電源モジュール DCMを採用しました。DCMにより48Vを12Vへ変換します。DCMは様々な冷却方法に対応でき、電力密度は世界最高レベルです。この柔軟性のため、再生可能エネルギーの用途にも適しています。

  • Vicorの3つの特長

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  • 電力供給ネットワーク (PDN)

    電力供給ネットワーク (PDN)

  DCM3717S60E14G5TN0 DC-DCコンバータ
入力電圧: 54V (40 – 60V)
出力電圧: 12.2V (10.0 – 13.5V)
出力電力: 最大750W
36.70 x 17.30 x 7.42mm

Vicor Corporationについて

  • Vicor社ロゴ

Vicorは、高性能モジュール型電源コンポーネントの設計、製造、販売を行う米国(本社:マサチューセッツ州アンドーバー)の電源専業メーカーです。HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、オートモーティブ、通信ネットワーク、産業機器、ロボティクス、鉄道、航空防衛アプリケーションなどへ向けて、広く事業を展開しています。

日本法人のVicor株式会社(Vicor KK)は2017年に設立され、電源コンポーネントの販売・技術サポートを行っています。詳しくは、www.vicorpower.com/ja-jpをご参照ください。

NVMe® は、NVM Express,Inc の登録商標です。
Vicorは、Vicor Corporationの登録商標です。

HIRO社について

HIRO社は、ビッグデータやAI処理のサービスを安全かつプライバシーを確保しながら提供することができるエッジ環境を開発しています。これらのエッジ環境は、スマートシティ(ビル、インフラ、病院、物流拠点、交通、輸送)、スマートファクトリー(サイバーフィジカルシステム、工場フロア、サプライチェーン、ロボティクス、デジタルツイン)などを構成します。 HIRO社は、エネルギー効率の高い、異種混合の高密度マイクロ/ナノデータセンターのハードウェア(エッジマイクロデータセンター)と、分散型フェデレーションエッジクラウドソフトウェアを開発しています。

※本記事はVicorから提供を受けております。著作権は同社に帰属します。

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