激増するランサムウェアはセキュリティソフトだけでは防ぎきれない
加えて最近では、新たなセキュリティ問題も浮上している。ランサムウェアによる被害だ。ランサムウェアに企業のコンピュータが感染すると、PCがロックされたり、ファイルが暗号化され、アクセスできなくなってしまう。この場合、犯罪者に身代金(ransom)を支払うまで暗号化は解除されない。そんなときでも、普段からバックアップを定期的に実行しておけば、すぐに元の状態に戻せるわけだ。
「いまやバックアップとセキュリティは、セットで考えて守る時代になりました。ランサムウェアはセキュリティソフトを導入していても、完全には防ぎきれません。社員や社内のメールアドレス、自身のメールアドレスで送付されてくることもあり、うっかりとクリックしてしまうことが多いようです。実際に被害に遭ったことで、失ったデータを元に戻せることの重要性を認識し、改めてバックアップ/リストアソリューションをお求めになるケースも増えています」(佐藤氏)
イメージバックアップとして初めて(同社調べ)バックアップ時にデータブロックの重複を排除する「重複排除圧縮機能」搭載
こうしたバックアップ/リストアにまつわる課題を解決するのが、ネットジャパンのイメージバックアップ・ソリューションだ。同社は当初、ディスクのパーティショニングやイメージングなどの製品を扱うディストリビューターだったが、当時から高い技術力を有しており、取引き企業が他社に買収されたことを契機に、自社開発に着手し、現在は独自製品の販売が90%以上だ。
同社の代表的な製品として「ActiveImage Protectorシリーズ」(以下、AIPシリーズ)がある。これらは、稼働中のWindows/Linuxマシンを動かしたまま、ボリューム全体をまるごとディスクイメージとして高速バックアップするソフトウェアだ。AIPでは、約1TBのデータを2時間半ほどでバックアップできるが、これは競合他社の製品と比べても、かなり速い数値といえるだろう。サーバにバックアッププログラムやドライバをインストールせずにオンラインバックアップを行えるエディションもある。
さらにAIPシリーズは、イメージバックアップとして初めて(同社調べ)、バックアップ時にデータブロックの重複を排除する「重複排除圧縮機能」を搭載し、高圧縮でストレージ利用率を向上した点が大きな特徴だ。佐藤氏は「圧縮による削減率が高まれば、データ容量もコンパクト化され、そのぶん転送処理が速くなります。データが肥大化するなかで、バックアップやリストアのスピードもポイントの1つになっているのです」と強調する。
重複排除圧縮機能を使うとバックアップファイルのサイズは標準的なシステムで約50%の圧縮が可能だ。さらに仮想環境では重複データが発生しやすいためより高い効果を期待できる。