アレイ・ネットワークスプロダクトマーケティング部マネージャ 原田雄一郎氏

ネットワーク環境を最適化し、パフォーマンスを維持・向上させることの重要性が高まるにつれ、ADC(Application Delivery Controller)へのニーズは増加し、また多様化してきている。自社内に構築したネットワークにハードウェアとして組み入れたいという従来のニーズから、仮想アプライアンスとして、あるいはパブリック・クラウド上のサービスとして利用したいというケースまで、そのニーズは様々だ。

世界5,000社以上、国内約2,000社のユーザに、ADCやSSL-VPN関連製品を提供しているアレイ・ネットワークス(本社・米国)は、2016年、多様化するADCニーズにきめ細かく対応できる新製品をリリースする。現在クラウド化が進行している日本市場からのニーズを、強く意識して開発されているものもあるという。同社日本法人のプロダクトマーケティング部マネージャ 原田雄一郎氏に、その開発背景や特長、導入メリットなどを聞いた。

段階的な導入・提供が可能 - プロバイダにメリットを提供するAVXシリーズ

昨年、Interop2015でも披露されたArray AVXシリーズは、マルチテナント型ADCアプライアンスだ。本体が持つCPU、メモリ、ストレージ、ネットワークインターフェースのすべてを、最大32台(※)の仮想マシン(インスタンス)にそれぞれの専用リソースとして割り振れるので、各インスタンスの性能を明確にできるのが特徴。クラウド、データセンター、VPSなどのサービス事業者にとって、性能保証はユーザに対してのアピールポイントとなりうる。

オプションメニューも豊富で、ロードバランシング、グローバルロードバランシング、SSLアクセラレーション、DDoS防御機能などが利用できる。同レベルのサービスを従来のハードウェア型で実現するより、導入コスト、ランニングコストが抑えられ、また設置スペースが少なくて済むというメリットもある。

さらに、AVXではスモールスタートが可能であり、導入後の必要に応じて性能を段階的に「追加購入」していくことができる。例えば導入当初は、AVXの最小構成で性能要件を満たせる場合、本体費用および最小のライセンス料を負担するだけでいい。その後性能を拡張する必要が出てくれば、追加ライセンス(全4段階)を購入できる。契約サイズが細かく変更可能(Pay-As-You-Grow)なことで、投資の無駄をなくすことができるのである。

2016年、7月に新たにラインナップされる予定のAVX3600は、この段階的投資にさらなる柔軟性を持たせている。従来の機種のさらに半分のサイズとなるこのモデルは、導入はより小規模なところから、という日本市場のニーズに対応して開発したものだという。 「中小規模の企業ユーザがクラウドへ移行するにあたって、冗長性や運用管理の問題からマネージドADCサービスを使うケースもあると聞いています。そういう場合は、小回りが効いてコストを抑えられるAVX3600が適しています」(原田氏)

Pay-as-you-growライセンスのイメージ図 ※画像クリックで拡大表示

AVXシリーズでは4サイズの仮想マシンが選択でき、小規模からの導入が可能 ※画像クリックで拡大表示

リニューアルでエントリーレンジのモデルの性能向上 - ハードウェア・アプライアンスAPV v5

一方で、クラウド化に慎重な企業ユーザに対し、アレイ・ネットワークスは従来からのハードウェア型ADCアプライアンスの提供も継続している。それがArray APVシリーズだ。ユーザからの評価は高く、リプレース時のリピート率は8割を超えるという。しかし日本市場で最も需要の高いエントリーレンジのモデルは開発から約5年が経過していたため、さらなる性能の向上を図るべく、この4月、APV v5の投入が発表された。価格は同社の同一レンジ/現行モデル並に抑えられているが、性能はそれらの2~4倍にまで向上しているという。

「当社のハードウェアは汎用パーツで組み立てられているため、市場の技術進化に柔軟に対応できるのが特長です。汎用パーツを利用することで安定供給ができますし、抑えた開発コストは、そのまま製品価格に反映させています。もちろんそれぞれの製品を開発するにあたっては、目的に合ったパーツを厳選し、独自に設計(Purpose-built)しています」(原田氏)

APV1600およびAPV3600。Interop2016でも展示予定だ

時間単位で仮想ADCを利用できるサービスも登場 - 仮想アプライアンスvAPV

世界的にシステムのクラウド化は大きく進んでいる。パブリック・クラウドを利用している企業も多く、アレイ・ネットワークスの仮想ADCであるArray vAPVはAWS、VMWare、Azureなどのマーケットプレイスから簡単に利用することができる。従来「BYOL(Bring-your-own-License)」にて提供されてきたが、2015年秋からはこれに加え、1ヶ月、1年という短いスパンでのライセンスが提供されるようになった。さらに2016年からは「Entry」「Small」「Medium」「Large」といったリソースサイズを取り揃え、サブスクリプション形式で1時間単位での提供もスタートしている。

「昨今、常時SSL化、HTTP/2化が盛んになっていますが、vAPVを利用していただければ、サーバを増設するより簡単、かつ低コストに、アドオン感覚で処理能力を上げることができます」(原田氏)

使いたいタイミングに絞ってADCを利用できるというユーザ側のメリットはもちろん、サービス事業者側の付加価値付けにも貢献していると言えるだろう。

いかなる環境にも対応できるアレイ・ネットワークスのADC

ADC環境の多様化に合わせ、多彩な製品展開を行っているアレイ・ネットワークスだが、実はすべての製品が同じ独自のArray OS上で動いている。ハードウェアはローエンドからハイエンドまで、さらに仮想やマルチテナントと分かれているものの、機能的にはほぼ同一だ。そのため、これまで同社のハードウェア・アプライアンスAPVシリーズを利用していたユーザが、クラウド化に合わせて仮想アプライアンスvAPVを使うことになったとしても、戸惑いを感じることはないだろう。コンフィギュレーションもほぼそのままで、スムーズな移行が可能である。

さらにvAPVは多くの仮想環境に対応しているため、現在の仮想環境に導入する場合、あるいはこれからクラウド化を検討しようとする際の、足枷になることもない。

「当社製品は、あらゆる環境下でのADC利用をサポートしています。仮想化、クラウド化へ移行しようとしている企業の方や、そうした企業にサービスを提供している事業者の方には、ぜひ一度、当社の製品に触れて、その実力を確かめていただきたいです」(原田氏) 同社は2016年6月8~10日に開催されるInterop2016にも出展し、記事中で紹介した製品やセキュアアクセスゲートウェイArray AGシリーズの展示・デモを予定している。この機会に世界水準のADCを体験してみてはいかがだろうか。

(※)AVX10650の場合

(マイナビニュース広告企画:提供 アレイ・ネットワークス株式会社)

[PR]提供: