ジェナ(jena)とジェーエムエーシステムズ(JMAS)は5月27日、人気アプリ「seap」のWindows対応版「seap for Windows powered by Any3」の提供を開始した。Windows対応版を開発した経緯やサービスの特徴などをジェナとジェーエムエーシステムズに聞いた。

導入するだけでWindowsタブレットのビジネス活用が可能

企業のタブレット活用が新しい局面に入りつつある。iPadが登場した2010年から5年経ち、デバイスやアプリ、ソリューションが成熟してきた。企業側にもナレッジやノウハウが蓄積され、さまざまな業務をタブレットでこなそうという動きが進んだ。各種調査によると、PCの出荷台数が減少傾向を続けるなか、タブレットはそれを置き換えるように出荷台数を増やし続けている。

なかでも成長率が高いのが、2 in 1デバイスと呼ばれる市場だ。PCとタブレットの機能を1つにまとめることで、使いやすく、管理しやすいクライアント環境を実現できる。企業におけるタブレットは、特定の業務に向いたデバイスから、あらゆる業務で利用するための汎用的なデバイスへと適用範囲を広げている状況にある。

そんななか、今年5月に提供を開始した企業向けアプリが「iPadアプリのように操作性がよく、Windowsタブレットのメリットを効果的に引き出せるアプリだ」と評判になっている。ジェナ(jena)とジェーエムエーシステムズ(JMAS)が共同開発した「seap for Windows powered by Any3 (以下、seap for Windows)」だ。ジェナの代表取締役社長 手塚康夫氏は、seap for Windowsについてこう話す。

ジェナ代表取締役社長 手塚康夫氏

「seap for Windowsは、カタログ、アンケート、ラーニングという企業でよく利用する3つのアプリを作成するためのプラットフォームです。プログラミングは必要なく、ブラウザだけで誰でも簡単に操作性のよいアプリを作成することができます。また、単にアプリを作成するだけでなく、運用や効果測定までを含めてワンストップで提供していることも特徴です。seapさえ導入していただければ、Windowsタブレットのビジネス活用がすぐに可能になります」(手塚氏)

左からカタログ、アンケート、ラーニング画面。高いデザイン性による、わかりやすい画面が魅力だ

ニーズの高い業務を3つのアプリに集約

手塚氏によると、カタログ、アンケート、ラーニングの3つは、幅広い企業で特にニーズの高いアプリだという。この3つのアプリにはそれぞれテンプレートが用意されており、ユーザーは、このテンプレートをドラッグ&ドロップ操作することで、アプリを作成することができる。

たとえば、カタログアプリを作成する場合は、カタログのベースとなるPDFに画像や音声、動画、テキストを配置して、アプリを作成していく。店舗で接客時に利用する商品カタログや、営業担当者が提案時に利用するカタログなどを簡単に作ることができる。PDFやHTMLの埋め込み、Webサイトへのリンクとの連動、キーボードや手書きによるメモなどが可能だ。

また、アンケートアプリでは、展示会やセミナー会場でのアンケート調査、顧客からのヒアリングの報告、保守点検時のチェックリストツールなどを作成できる。11種類の設問形式に加えて、回答によって質問の内容が変わる分岐アンケート、カメラで撮影した写真のアップロード機能といった高機能なアンケートアプリの作成が可能だ。 回答結果はクラウドに保存され、集計結果をリアルタイムに参照したり、グラフ形式やCSV形式で出力したりといった機能を備える。

3つめのラーニングアプリは、企業の社内研修や教育機関の学習用教材を作成するアプリだ。テンプレートは、さまざまな出題形式や試験形式に対応し、制限時間のある試験やアプリ上での採点、解説に対応する。復習機能や問題出題のランダム設定なども可能という。集計は、アプリ単位、ラーニング単位、問題単位で可能で、多角的な分析を簡単に行うことができる。

「企業からニーズの高い業務を3つのアプリとして集約しました。必要な機能を網羅しています。アプリは、操作性、使い勝手がよく、汎用的に作られているので、業種業態を問わず利用することができます。また、3つのアプリは1つの契約で利用でき、運用管理を一元化することもできるのでコストメリットが高いことも特徴です」(手塚氏)

人気アプリ「seap」をWindows環境向けに強化

そもそもseapは、iOS向けのスマートデバイス活用プラットフォームとして2012年にリリースされた。大手金融機関、製薬業、小売業などの日本を代表する企業が採用しており、現在5万台を超えるiOSデバイスで稼働する人気アプリになっている。

ジェナの取締役 ソリューション事業部部長の中垣雄氏は、seap for Windowsには、これまでの実績から得られたノウハウが生かされていると話す。

「お客さまから、seapのWindows版を出してもらえないかという声を数多くいただいていました。そうした要望にできるだけこたえるために、Windows版ではこれまで実現が難しく諦めざるをえなかった機能も実装しました。Windows環境向けに新たに追加した機能も数多くあります」(中垣氏)

ジェナ 取締役 ソリューション事業部部長 中垣雄氏

近年は、2 in 1のデバイスを導入することで、コスト削減と管理性の向上を図ろうという企業が増えている。たとえば、製薬業界では、MRがPCとタブレットを2台持ちして、顧客への提案と、情報の入力など使い分けているが、これを2 in 1デバイスにまとめたいというニーズがあったという。

Windowsタブレットでも、マニュアル不要で、すぐに使えるseapのルック&フィールは健在。Surface などの2 in 1デバイスでコストと管理負荷双方の軽減を期待する企業にとって、今回のサービス開始によるメリットは大きいといえる

また、セキュリティやバックエンドサービスとの連携性もデバイスの導入時に課題になることが多い。たとえばある金融機関では、基幹系システムがSQL Serverなどのマイクロソフト製品で構築されており、データ連携のためにWindowsベースのデバイスを望んでいたという。

こうした状況を踏まえ、seap for Windowsでは、iOSで培ってきたノウハウを生かすとともに、Windows環境向けに機能強化を図ったわけだ。

「Any3」と連携しWindowsデバイスに最適化したUIを提供

seapの機能強化のために採用したのが、ジェーエムエーシステムズが提供するストアアプリ「Any3」だ。ジェーエムエーシステムズは、日本能率協会(JMA)のコンピュータ事業部から独立したシステムインテグレータ。マイクロソフトのパートナー認定制度で「Application Development」ゴールドコンピテンシーを保有するなど、Windowsアプリ開発を得意とする。

Any3は、Windows 8発売と同時期にWindowsタブレット向け業務効率化アプリとして発売され、大手製造業で採用された実績がある。ジェーエムエーシステムズの産業ソリューション事業部 企画グループ マネジャーの傳寳(でんぼう)幸宏氏は、Any3について、こう話す。

「Any3は、いつでも、どこでも、なんでものAnyの意味です。Microsoftが提供するSharePointやOffice 365などのクラウドサービスをタブレット上で利用する際にタッチインタフェースなどを提供することができます。今回は、そうしたアプリ開発の技術やノウハウをseap for Windowsの開発に生かしました」(傳寳氏)

ジェーエムエーシステムズ 産業ソリューション事業部 企画グループ マネジャー 傳寳幸宏氏

ジェーエムエーシステムズはジェナの株主であり、アプリの設計や開発で協業してきた関係でもある。今回の共同開発では、デザインと設計の中心はジェナ、アプリ開発の中心はジェーエムエーシステムズという分担で、それぞれの強みを生かしたという。

基盤構築では、マイクロソフトのサービスも活用した。クラウドサービスにはMicrosoft Azureを利用し、可用性と信頼性を確保。このように、seap for Windows は、iOSアプリでの実績を持つジェナ、Windowsアプリ開発に長けたジェーエムエーシステムズ、そして、クラウドやOSを提供するマイクロソフトとがうまく連携することで実現したサービスになっている。

顧客ニーズありきの開発に強み

手塚氏によると、seapは、ユーザーのニーズにマッチした機能が評価を受け、ユーザー主導での導入に至るケースが多い。この傾向は、seap for Windowsについても同様に見られるという。

Windows対応版の登場で、企業の採用に拍車がかかっているseap。顧客ニーズありきの開発で、iOS版と同様、Windowsタブレットにおけるビジネス活用アプリの定番になっていく日もそう遠くはないかもしれない。

詳しくはこちら>>「seap for Windows powered by Any3」

(マイナビニュース 広告企画)

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