"見出し"となる段落にアウトライン レベルを指定すると、文書の構造を「ナビゲーション」ウィンドウに示すことが可能となる。今回は、この「ナビゲーション」ウィンドウの使い方を紹介していこう。長い文書を作成する時に大変便利な機能となるので、使い方を確認しておくとよいだろう。
「ナビゲーション」ウィンドウの表示
「ナビゲーション」ウィンドウは、文書全体の構造を把握したり、目的の位置へすばやく移動したりする場合などに活用できる機能となる。まずは、画面に「ナビゲーション」ウィンドウを表示する時の操作手順から紹介していこう。「表示」タブを選択し、「ナビゲーション ウィンドウ」のチェックボックスをONにする。
すると、画面左側に以下の図のようなウィンドウが表示される。アウトライン レベルを適切に指定してあれば、ここに文書内の"見出し"が一覧表示されるはずだ。
ちなみに、アウトライン レベルを指定していない場合は、すべての段落が「本文」として扱われるため、「ナビゲーション」ウィンドウは以下の図のように表示される。
「ページ」の項目を選択して、各ページのサムネイルを一覧表示させることは可能であるが、文字主体の文書では「どこに何が書いてあるのか?」をサムネイル画像から見分けるのはほぼ不可能だろう。
よって、「ナビゲーション」ウィンドウを効果的に活用するには、やはりアウトライン レベルの指定が不可欠となる。
「ナビゲーション」ウィンドウを使った文書の移動
それでは、「ナビゲーション」ウィンドウの具体的な使い方を紹介していこう。ここに表示されている"見出し"の一覧は、その位置へ即座に移動するためのリンクとして機能する。
文書のページ数が多くなると、画面をスクロールさせて目的の位置を表示させることすら面倒な作業になる。このような場合に「ナビゲーション」ウィンドウを活用すると、クリック1つで目的の位置を表示できるようになる。
このように、「ナビゲーション」ウィンドウを目次の代わりとして利用することも可能である。
もちろん、文書の構造を把握する時にも「ナビゲーション」ウィンドウが重宝する。各見出しの左側に表示されている三角形のマークをクリックすると、その下位レベルにある"見出し"の表示/非表示を切り替えることが可能となる。"見出し"の数が多くて全体を見渡せない場合は、この機能を使って必要な部分だけを展開して表示するとよい。
そのほか、レベルを指定して"見出し"を一覧表示する方法も用意されている。この場合は、いずれかの"見出し"を右クリックして、「見出しレベルの表示」から適当なレベルを選択すればよい。例えば「1レベル表示」を選択すると、1階層目の"見出し"だけを一覧表示できる。
「ナビゲーション」ウィンドウを使った文章の並べ替え
文書の構造を変更する際にも「ナビゲーション」ウィンドウが活用できる。「ナビゲーション」ウィンドウに表示されている"見出し"を上下にドラッグ&ドロップすると、その項目の位置を文書内で並べ替えることができる。
もちろん、この操作により順番が変更されるのは"見出し"の段落だけでなく、それに続く"本文"や"下位レベルの見出し"も一緒に移動される。
文書全体の構造を確認しながら、必要に応じて各項目の順番を入れ替えたい場合などに活用できるだろう。
ただし、「1.7」などの"見出し番号"は変更されないことに注意する必要がある。自分で入力した"見出し番号"は単なる文字として扱われるため、並び順を変更しても番号は自動修正されない。これを自動修正されるようにするには「アウトラインの定義」を行っておく必要がある。これについては次回の連載で詳しく紹介していこう。