Wordのスタイルは大変便利な機能であるが、使用する予定のないスタイルまで表示されてしまうのが少々難点といえる。そこで今週は、必要のないスタイルを非表示にして「スタイルの一覧」を見やすくする方法を紹介しておこう。ささいなことではあるが、文書の作成効率に意外と影響を及ぼすので、念のため覚えておくとよいだろう。

不要なスタイルを非表示にする

自作したスタイルの数が増えてくると、「スタイルの一覧」(スタイル ギャラリー)から目的のスタイルを見つけ出すことすら面倒に感じる場合がある。この原因の一つとなっているのが、「Wordに初めから用意されているスタイル」である。使用する予定のないスタイルが何個も表示されている状況は、決して“使いやすい環境”とはいえないだろう。そこで、不要なスタイルを非表示にする方法を覚えておくとよい。

まずは「ドロップダウン」ボタンをクリックして「スタイルの一覧」を表示する。続いて、使用する予定のないスタイルを右クリックし、「スタイル ギャラリーから削除」を選択する。

スタイル ギャラリーからスタイルを削除

すると、そのスタイルを「スタイルの一覧」から削除することができる。同様の操作を繰り返して、不要なスタイルを一覧から削除していくと、以下の図のようにシンプルな「スタイルの一覧」に仕上げることができる。

不要なスタイルをすべて非表示にした場合

これで目的のスタイルが見つけやすくなり、その分、作業効率も向上すると思われる。気になる方は試してみるとよい。

なお、先ほど示した手順は、スタイルそのものを削除する操作ではなく、スタイルを非表示にする操作となる。よって、いつでも元の状態に戻すことが可能だ。非表示にしたスタイルを再び表示させる時は、「ホーム」タブのスタイルの領域にある「起動ツール」(小さい四角形のアイコン)をクリックする。

スタイルの領域にある「起動ツール」

すると、スタイルの一覧がウィンドウで表示されるようになる。ここで各スタイルの右端に表示される▼をクリックして「スタイル ギャラリーに追加」を選択すると、そのスタイルを再び表示することが可能となる。

スタイル ギャラリーに表示する場合

間違ってスタイルを非表示にしてしまった場合に備えて、操作手順を覚えておくとよいだろう。

「スタイル」ウィンドウの活用

「ホーム」タブの右端にある「スタイルの一覧」(スタイル ギャラリー)を利用する代わりに、「スタイル」ウィンドウを利用してもよい。「スタイル」ウィンドウを表示する手順は先ほど示した通り。「ホーム」タブでスタイルの領域にある「起動ツール」をクリックすればよい。

続いて「スタイル」ウィンドウの下部にある「プレビューを表示する」をONにすると、各スタイルが“指定されている書式”で表示されるようになる。これで少しは目的のスタイルを見つけやすくなるはずだ。

スタイルのプレビュー表示

ただし、この一覧にも「使用する予定のないスタイル」が表示されるため、このままではあまり使い勝手がよくない。そこで「オプション」の文字をクリックし、表示設定を変更しておくとよい。

オプションの呼び出し

以下の図のような設定画面が表示されるので、「表示するスタイル」に「使用中のスタイル」を指定し、さらに「前のレベルが使用されている場合に……」のチェックボックスをOFFにする。このように設定を変更してから「OK」ボタンをクリックすると、文書内で使用しているスタイルだけを一覧表示できるようになる。

「表示するスタイル」の変更

使用中のスタイルだけを表示した場合

ちなみに、この一覧に表示されている「ヘッダー」と「フッター」のスタイルは、“ヘッダー領域”または“フッター領域”に入力する文字の書式が指定されているスタイルとなる。

そのほか、「スタイル」ウィンドウを画面右端へドラッグして、画面に固定することも可能となっている。「スタイル」ウィンドウが常に前面に表示されていて邪魔な場合は、以下の図のようにウィンドウを固定化して利用するとよい。

「スタイル」ウィンドウを固定した場合

もちろん、「スタイル」ウィンドウを使って書式を指定することも可能である。この場合は、段落(または文字)を選択した状態で「スタイル」ウィンドウ内にあるスタイル名をクリックすればよい。基本的な操作手順はスタイル ギャラリーを利用する場合と同じなので、すぐに使い方を覚えられるだろう。

自作スタイルの削除

最後に、不要なスタイルを削除する方法を紹介しておこう。スタイルを完全に削除する時は、「スタイル」ウィンドウを利用するのが基本だ。各スタイルの右端に表示される▼をクリックして「(スタイル名)の削除」を選択すると、そのスタイルを文書ファイルから完全に削除することができる。

スタイルを削除するときの操作

このとき、そのスタイルが適用されている段落や文字があった場合は、スタイルにより指定された書式も一緒に削除される。例えば、「太字強調」という自作のスタイル(文字スタイル)を削除すると、以下の図のように「太字強調」のスタイルで書式を指定した文字が「標準」の書式で表示されるようになる。

「太字強調」のスタイルを削除した文書

状況によっては予想外の結果を招くケースもあるので、スタイルを削除する時は慎重に操作を進めていく必要があるだろう。