今回のテーマは「CMS」

最近ではブログエンジンもCMS(Content Management System)と呼ばれることが多くなってきており、CMSでいうコンテンツ・マネジメントの意味が幅広く扱われてきている雰囲気はある。CMSを使うと、コミュニティサイト、フォーラムサイトをはじめ、Webサイトを手軽に構築できる。ブログよりももっと多人数を対象にサイトを一緒に構築していくものが多い。

CMSに注目が集まったのは5、6年くらい前からだと思うが、Web系のシステムとしては古参の部類に入ってくる。それゆえに昔からあるものはバグフィックスが進み、情報もプラグインなどの付属ソフトウェアも多数揃っている。が、それに満足せず新しい種類のCMSも続々と作られている。

今回はそんなCMSをテーマにお送りしたい。といってもXOOPS、Drupal、Ploneなどは有名なのでここでは扱わない。もっとマイナーな、特徴持ったWebアプリケーションやオープンソース・ソフトウェアを紹介したい。

今回紹介するOSS・Webアプリ
BricaBox』 CGMからSocial Content Platformへ
webnode.com』 WYSIWYGで優れたユーザビリティ
Soy CMS』 複雑化はNO! シンプルな作りが特徴
Pref Shimane CMS(島根県CMS)』 幅広い層が利用できる自治体向けCMS



ユーザーを巻き込んでいく次世代CMS

名称 BricaBox
URL http://bricabox.com/

『BricaBox』のコンセプトは「Social Content Platform」となっている。CMSサイトを皆で作っていく雰囲気といえばわかりやすいかもしれない。通常のCMSでは、サイト管理者が機能を提供し、その中でユーザがコミュニケーションをとっていく形だった。BricaBoxはそのコンテンツ自体をみんなで作り上げていくのだ。より現代的に、ソーシャルになったCMSだ。

「BricaBox」のトップページ。ログインはOpenIDも利用できる。ログイン後、サイトの構築が可能になる

使い方は難しくなく、最初からベースは存在している。レストランレビューサイト、写真+地図のマッシュアップサイト、フォーラムサイト、Webページレビューサイト、ビデオコレクションサイトなどだ。これらのサイトを作る場合には、あらかじめ用意されているテンプレートに沿えば、簡単にサイトを構築できる。もちろん、イチからスクラッチで作り始めることも可能だ。

フォーラムサイトを構築しているところ。他のユーザが加わって構築することもできる

最近のWebサービスの傾向として、コンテンツを与えられるだけではユーザは満足しなくなっている。そのためにWeb APIを提供することで、各自にマッシュアップして自分なりの使い方を模索してもらうという手法がとられているが、BricaBoxのように、ユーザも巻き込んでひとつのサイトを組み上げていくというのも面白そうだ。

レストランレビューコミュニティの例




わかりやすい! WYSIWYGなCMS

名称 webnode.com
URL http://www.webnode.com/en/

『webnode.com』の特徴は何といってもわかりやすさにある。CMSのユーザ画面を見ながら文字や配置を変更できるのだ。AjaxやJavaScriptを駆使した画面で、動作は多少重たいものの、優れたユーザビリティを提供してくれる。

サイトのトップページ。ユーザ登録なしでもSamplesから試すことができる

実際、管理者画面でコンテンツを作りつつ、ユーザ画面で表示を確認するといった作業はよくあるものだ。だが、webnode.comであれば即座に反映されるので簡単に確認できる。

編集画面。見た目を確認しながら構築できる

CMSとしての機能は、記事/投票/フォーラム/FAQ/リスト/Eコマース/ギャラリー/検索/メールなど、十分に揃っている。編集内容と結果がすぐに確認できるというのは新しい面白さだろう。

メニューの並び替え。即座に反映される




複雑化するCMSをシンプルな姿に

名称 Soy CMS
URL http://www.soycms.net/

CMSというのは、それまで面倒で技術力が必要だったコンテンツ作成作業をユーザレベルでも可能にした点が便利だった。だが、徐々に各種機能が付け加えられ、CMS自体が複雑化してしまった。

サイトのトップページ。デモアカウント、またはユーザ登録すると利用できる

Soy CMSはそうした本末転倒な事態を打破できるかもしれない。ごくシンプルでわかりやすいインタフェースと機能で構成されており、誰でも使いこなせそうだ。テンプレートの仕組みはあるが、特殊な記号を埋め込むというほどではなく、少しの印だけで作っていくことができる。

ページ管理機能。項目は大きく分かりやすい

ブログのように利用することも、個別のページを作成することもできる。プラグイン機能を備えており、拡張することも容易だ。なお、Soy CMS自体はGPLで提供される予定のオープンソース・ソフトウェアであるが、現状はSaaS版としてWeb上で利用できるものが提供されている。ダウンロード版の提供が楽しみなソフトウェアだ。

プラグイン機能もある。画面はあらかじめ登録されているもの




島根県発! 自治体向けCMS

名称 Pref Shimane CMS(島根県CMS)
URL http://projects.netlab.jp/PrefShimaneCMS/

『島根県CMS』は島根県庁の外部向けWebサービスとして利用されているCMSだ。Ruby on Rails+PostgreSQLで構築されている。自治体向けのCMSとあって、通常のCMSとは若干趣が異なる。

管理画面のインデックス。項目は大きくてわかりやすい

例えば、対象ユーザ層が幅広く、若年者、年配者や視覚に障害をもつ方であっても見やすいように、文字を拡大したり、振り仮名をつけたりする仕組みがわかりやすい場所に設けられている。また、音声の読み上げ機能を備えているので、これを使えば見る以外の方法でもサイトを利用することができる。

ユーザ画面のトップページ。項目がわかりやすく並んでいる

機能としてはページの作成、審査、リンク切れチェック、一括ページ取り込み、連絡先設定、辞書の編集、アンケート管理、バナー広告管理、テーマ機能などがある。決して多機能ではないが、必要十分な機能が提供されているといえるだろう。

ページ情報のページ。携帯電話向けページも作成できる

いかがでしたか?

いかがだっただろうか。一言にCMSといっても、各サービス、ソフトウェアともに特徴を持って作られていると思う。最近ではブログシステムを使ってサイトを構築するケースも見られるようになってきたが、さまざまな機能を効率的に積み込むにはやはり専門のCMSのほうが便利なこともあるだろう。有名なCMSもよいが、場合によっては特徴あるCMSが便利になることもあるだろう。それぞれの特徴をつかんで、使いわけてほしい。

また、CMSというと自サイト内に立てるイメージもあるが、webnode.comのようにASPまたはSaaS的に提供するところも増えてきている。こちらも要注目だ。

著者プロフィール
MOONGIFT 中津川 篤司(なかつがわ あつし)
1978年生まれ。オープンソース紹介サイト「MOONGIFT」管理人。プログラマ、SE、ITマネージャを経て、オープンソースのビジネス活用を推進する。現在は独立し、Webサービスのコンサルティング、プロデュースを行う。