アングラー的ダッシュボード、それが魚群探知機だ!

前回はワカサギ釣りにおける魚群探知機について説明したが、今回は実際に釣り場での魚の映り方から、実際の釣れ方までを解説していこう。画面から情報を得て、判断材料とする。これぞまさしくアングラーにとってのダッシュボードといえるだろう。

サンプル1

ここにいくつかの画像を用意した。いずれも同じ日の同じ湖を魚群探知機でサーチしているものになる。一枚目のこの画像を見ると、2mのエリアにハッキリとした魚体が単体で映っている。これはワカサギでは無く、ヘラブナもしくはブラックバスだと思われる。

その他、4m、7m付近にも映っているが、ここで注目したいのはボトム近辺の映像だ。7m付近にあるモヤっとした魚影が、徐々にボトムへ落ちている。一見してワカサギかなと思われるかも知れないが、この動きはボートの影に怯えたヘラブナの群れだと考えられる。よって、このエリアにはあまりワカサギが居ないと判断できるのだ。

サンプル2

ボートをやや進めて水深10mのエリアへ来てみた。画面にノイズが乗っているが、これは水中にプランクトンやゴミが多いため。これぐらいなら許容範囲だが、気になるようなら魚探の感度を落としてやるとノイズは消える。ただし、落としすぎると宙層の群れには反応しづらくなるので注意。

2.5mの層には相変わらず単独で動く魚体。これは先ほどと同じく、ヘラブナかブラックバスだ。注目は7.5m~8m付近に出ているモヤモヤだ。これはまさしくワカサギの群れ。どうやらこの日は割と深い層を泳いでいると推測できる。 さっそく6本針の仕掛けに3gのオモリをつけて、7.8m付近まで落とすと竿先がピクピクとすぐに反応した。これぐらいハッキリでている群れだと、釣るのは簡単だ。

サンプル3

サンプル2と同じ場所でやや時間は経過したときの様子。運良く群れの端を捉えたのがこのショットだ。しばらく釣れ続いた群れもやがて去って行く様子がお分かりになるかと思う。

この群れは結構広く回遊しているようだったので、きっとまたボートの下を通ると考えられる。それがすぐに来るのか、数時間後かはその日の状況次第になるが、この状態ではとりあえず一服といったところだ。こうした時を見計らって、餌を新鮮なものに交換するマメさがあると、確実に釣果に結びつく。暇になったからといって休んでいる暇はあまりないのだ。

サンプル4

こちらはしばらくした後にまた回遊してきた群れを捉えたもの。先ほどより魚群探知機の感度を若干下げておいたので、すっきりした画像になっている。群れの幅もほぼ同等で、同じメソッドで再び入れ掛かりとなるパターンだ。

この日は、ほぼ同じ水深を回遊し続けてくれたので取り立てて苦労することなくワカサギが釣れてきた。数メートル幅の群れになると、入れた針のすべてにワカサギが掛かってくるのが連続することもある。そんな群れを見つけられれば、最終的には200匹、あるいは300、400匹と圧倒的な釣果に繋がることもある。この日の群れは散発な上、薄かったので150匹を超えるのが精一杯だった。

サンプル5

釣れない時間帯を利用して移動しながら見つけたのがこの群れ。ボトム付近にへばりつくような点の集まりが確認できる。これもワカサギの反応で、食いは渋いものの誘い方によっては釣れ続く魚群だ。シーズンが深まる12月後半以降になると、水温もずいぶん低下するためこうした反応が多くなる。ボトムに張り付くワカサギのアタリは極微少で、釣り人の腕が試されるシチュエーションだ。ちなみに水深6m付近から上に向かって点が斜めに伸びているが、これは回収中のオモリだ。

この日は割とパターンが続く形でコンスタントに釣れてくれたが、これはほんの一例で、実際にはもっと大きな群れが来ることもあれば、逆に薄い群れを追いつつ数を伸ばすような展開もある。ワカサギが集まりやすいエリアは、事前情報からも得ることができるが、実際にその時の状況に合わせて行くとなれば、こうしたデバイスを駆使して釣りを組み立てた方が効率的であることはお分かりいただけたかと思う。

季節によるパターン、天候によるパターン、気温・水温によるパターン、捕食行動によるパターンなどなど、様々な要素が絡み合うのが自然界だ。釣り人としては考えて行動するようにしないと、釣れても釣れなくても得るものが少ない釣行になってしまう。そうなると思考する楽しみが薄れてしまうので、せっかくの休日をなるべく有意義に過ごすためにも、あらゆる情報を総合的に考えて戦略を練りたいものだ。

群れの行動に合わせて仕掛けを投入。当然のように反応があるとついついうれしくなってしまう

次回は実際にボートを借りるところから、ワカサギ釣りの実際の様子をご紹介したいと思う。