「食事も後払い」……。食品デリバリー大手DoorDashが、BNPL(Buy Now, Pay Later:後払い)サービスを提供するFinTech企業のKlarnaとの提携を発表したニュースは多くの人々を動揺させました。「テックトピア:米国のテクノロジー業界の舞台裏」の過去回はこちらを参照。

「ついにここまで来たか」「まるでリセッション(景気後退)の兆候だ」といった声がSNSに広がり、「ブリトーの借金で破産する未来」といったBNPL導入を揶揄するジョークが飛び交いました。

  • テックトピア:米国のテクノロジー業界の舞台裏 第26回

    「DoorDashで5.29ドルのマックチキンを分割払いしたのに、まだ景気に強気なの?」、ビジネストレンドに皮肉やユーモアを交えてコメントするBoring_Business(@BoringBiz_)の反応

BNPLが食品という最も基本的な消費にまで及ぶことに

これまでBNPLは、アパレルや家具、家電製品といった比較的高額な商品の購入を後押しする手段として、特に若年層を中心に急速に普及していました。しかし、今回の提携は、日常的な食品デリバリーという、いわば「消えもの」であり、単価も比較的低い領域にまでBNPLが浸透し始めたことを示す象徴的な出来事と言えます。

具体的には、Klarnaを通じてユーザーは注文時に「全額即時払い」「給与支払い日に合わせた後払い」「4回の無利子分割払い」といった選択肢を得ます。利息なしで支払いを先延ばしにできるものの、支払いが滞れば遅延料がかかる可能性があります。

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