今週は、dsadd userコマンドと、連絡先の追加に使用するdsadd contactコマンドで利用可能な引数について取り上げよう。
Active Directoryに合わせて作られたdsadd userコマンド
前々回、コマンド操作によるユーザーアカウントの作成について取り上げた。コマンド操作の場合、引数の指定によって、ユーザーアカウントのプロパティまで一気に指定できる。ただし、net userコマンドで指定できる内容には限りがある。これは、net userコマンドがもともと、NTドメイン用に作られたためだ。
dsadd userコマンドについては引数の数が膨大なので、代表的なものを選んで掲載した。ここにない引数については、コマンドプロンプトで「dsadd user -? | more」と入力して引数一覧を表示させる方法で確認できる。
なお、引数として文字列を指定するもので、その文字列がスペースを含む場合には、文字列全体を" " で囲んで記述する必要がある。
net userコマンドの引数一覧
まず、net userコマンドで使用可能な引数の一覧を示す。ここで示した引数は、ユーザーアカウントを追加するときだけでなく、既存のユーザーアカウントに対して設定変更を指示する際にも使用できる。
net userコマンドで使用できる引数
オプション | 説明 |
---|---|
/active:{yes no} | ユーザーアカウントの有効・無効(既定値はyes、有効) |
/comment:"" | ユーザーアカウントの説明文。テキストは " " で囲む |
/countrycode: |
ヘルプやエラーを表示する際のカントリーコード。日本のカントリーコードは932、「0」は既定値を意味する |
/expires:{ never} | ユーザーアカウントの有効期限。日付表記の既定値は「yy/mm/dd」で、年は2桁または4桁で指定する。「never」を指定すると無期限 |
/fullname:"名前" | ユーザーアカウントの表示名、" " で囲む |
/homedir: | ホームディレクトリを指定する。存在しないフォルダは指定できない |
/passwordchg:{yes no} | ユーザー自身がパスワードを変更できるかどうか(既定値はyes、変更可能) |
/passwordreq:{yes no} | パスワードが必須かどうか(既定値はyes、必須) |
/profilepath[:パス] | プロファイルパス |
/scriptpath:パス名 | ログオンスクリプト |
/times:{ all} | ログオン可能な時間。曜日と時刻はカンマで区切る。時間は「曜日[-曜日][,曜日[-曜日]],時刻[-時刻][,時刻[-時刻]]」で表し、時刻は1時間刻み、曜日は英単語または短縮形で指定する。時刻は12時間制も24時間制も使用できるが、12時間制ではam、pm、a.m.、p.m.の指定が必要。曜日と時刻の組を複数指定する場合はセミコロンで区切る。「all」を指定するといつでもログオンできる。空白を指定するとログオン不可 |
/usercomment:"" | コメント。" " で囲む |
/workstations:{[,...] *} | ログオンに使用できるコンピュータを特定のものに制限する。最大8台まで指定できる。省略、あるいは「/workstations:*」と指定すると、どのコンピュータからでもログオンできる |
|dsadd userコマンドの主要引数一覧
続いて、dsadd userコマンドで使用できる主な引数の一覧を示す。ここで示した引数は、ユーザーアカウントを追加するときだけでなく、既存のユーザーアカウントに対して設定変更を指示する際にも使用できる。
連絡先の追加に使用するdsadd contactコマンドで使用できる引数は、dsadd userコマンドで使用できる引数と重複している。そのため、dsadd contactコマンドとdsadd userコマンドのいずれでも使用できるものには、「*」をつけてある。
dsadd user/dsadd contactコマンドの代表的な引数
オプション | 説明 |
---|---|
-samid |
NetBIOS用のユーザーログオン名 |
-fn |
名 * |
-mi |
ミドルネーム * |
-ln |
姓 * |
-display |
表示名 * |
-email |
電子メールアドレス * |
-desc |
説明文 * |
-pwd { |
パスワード。「*」を指定すると、コマンド実行に続いてパスワードの入力を求められる |
-memberof |
所属するグループ名 |
-hmdir |
ホームディレクトリ |
-hmdrv |
ホームディレクトリのドライブ文字 |
-profile |
プロファイルパス |
-loscr |
ログオンスクリプト |
-mustchpwd {yes no} | 次回ログオン時にパスワードを変更するかどうか |
-canchpwd {yes no} | ユーザーがパスワードを変更できるかどうか |
-reversiblepwd {yes no} | 暗号化を元に戻せる状態でパスワードを保存するか |
-pwdneverexpires {yes no} | パスワードに有効期限を設定しない |
-acctexpires |
ユーザーアカウントの有効日数 |
-disabled {yes no} | 追加するユーザーアカウントを無効化するか |