データのステークホルダーにシンプルなプラットフォームを提供
グーグル・クラウド・ジャパンは9月7日、NTTドコモのGoogle Cloud採用に関する記者説明会をオンラインで開催した。
同社は、9月7日~10日の期間でデジタルカンファレンス「Data Cloud Summit」を開催。トランザクショナルデータベースや分析ソリューションに特化したイベントで、データクラウドを構築するためのGoogle Cloudの活用方法や、プロダクト最新情報の発信などのセッションが行われており、初日にGoogle Cloudの採用についてドコモがセッションに登壇している。本稿は、セッション後に行われた記者説明会で語られた内容を紹介する。
まず、はじめにグーグル・クラウド・ジャパン 技術部長(アナリティクス/機械学習、データベース)の寳野雄太氏はグローバルにおいて毎年世界市場に影響を及ぼす金額は15兆4000億ドルに達しているが、データを目に見える測定可能な価値に具体化できている企業の割合は32%となっていると指摘。
このような状況を踏まえ、同氏は「データが価値に至るまでには大きなフィルターがかかっており、価値が取り出せていない。データ技術の選択は大半の場合、後戻りができず、例えばデータをリアルタイムに使うのか、保存してから使うか、またはBI用のDWH(データウェアハウス)なのか、データサイエンス用のデータレイクなのかなど、これまでさまざまなデータ技術を選択してきたが、これらによりフィルターが積み上がり、データが持つ本当の価値を引き出せていない」との認識を示す。
従来はDWH、データレイク、DBMS(データベース管理システム)など各種ユースケースのためにポイントソリューションを利用していたが、今後は統一されたデータクラウドが必要だという。
寳野氏は「当社では、すべてのデータのステークホルダーにシンプルなプラットフォームを提供するというビジョンを持っている。つまり、データエンジニアやML(マシンラーニング)エンジニア、データサイエンティスト、デベロッパー、データアナリスト、ビジネスユーザーをはじめ、それぞれの人に使いやすいデータプラットフォームを提供し、データクラウドを実現していくことを目指している」と話す。
そのため、Google Cloudは「Google Data Platform」として統一されたエコシステムで提供しており、そのうちの1つにアナリティクスプラットフォームの「BigQuery」がある。今回、NTTドコモでは7月からBigQueryの本格導入を開始している。