ネットアップは3月30日、オンラインで記者会見を開き、Kubernetes関連の新サービスである「NetApp Astra」(ネットアップ・アストラ)と「Spot Wave by NetApp」「Spot Ocean for Azure」を4月1日から発売すると発表した。
ネットアップのKubernetes戦略
まず、はじめにネットアップ 常務執行役員CTOの近藤正孝氏はKubenetesの必要性について次のように語った。
「コンテナがベースのため、ハイパーバイザー型の仮想化よりも軽量かつ高速に起動可能で、アプリの可搬性も担保できる。また、頻繁なアプリ・新機能のリリースが容易であり、セルフヒーリング、オーケストリングで可用性や柔軟性を確保が可能だ。オンプレミスのベアメタル、仮想サーバ、メガクラウドいずれの環境でも利用できるほか、ハイブリット構成もできる。さらに、開発・テスト環境からアプリの変更なく、そのまま本番環境への切り替えを可能とし、クラウド時代のアプリ開発・運用プラットフォームだ」(近藤氏)
こうしたメリットをKubernetesは持つ一方で管理の課題も存在する。その点について、同氏は「ステートレスなアプリ開発の運用実績は多いがアプリは比較的少ないことに加え、アプリのデータ保護は複雑になっている。アクセスするデータの可搬性は乏しく、運用面でも監視が複雑となり、負荷需要の変化が激しいアプリに対してコストが最適なクラウドインフラの設定が困難となっている」と指摘。
そのような課題に対し、同社のKubernetes戦略はKebernetesアプリ開発・運用にエンタープライズレベルのデータ管理方法、監視方法、最適なインフラの選択方法を提供するというものだ。
これを実現するために、同社ではAstra、Spot Waveに加え、昨年7月に買収したSpotのクラウドにおけるコンピューティング最適化技術と、ネットアップのストレージとデータの最適化技術を組み合わせた「Spot by NetApp」、コンテナアプリケーションのための堅牢な永続データ管理を提供する「Trident」、クラウドとオンプレの可視化・最適化サービスの「Cloud Insights」など、各種ポートフォリオを備えている。
近藤氏は「中核のサービスがデータ管理のAstraとTrident、コンピュート自動化&最適化のSpot OceanとSpot Wave、関連サービスはネットアップ製品・サービス全体をオーケストレーションするCloud Manager、永続ボリュームを格納するエンドポイントのONTAP、そのクラウド版であるCloud Volume Service、Kubernetes環境のモニタリング分析機能を持つCloud Insightsをはじめとしたポートフォリオにより、あらゆるワークロード、Kubernetes、クラウド、オンプレミス上で対応する」と説明した。