Elasticは2月16日、オンラインで日本におけるビジネス戦略について記者説明会を開催した。同社は2012年に設立し、2018年には北米で上場しており、本社はオランダ・アムステルダムに置く。従業員数は2020年12月時点で2029人、ビジネスモデルはサブスクリプション販売(オープンソース製品のサポートと商用プラグインの提供)、自社クラウドサービスであるElastic Cloud、トレーニング、コンサルティングなどとなり、有償の顧客数はグローバルで1万2900社以上に達し、日本法人は2014年に設立した。

Elastic=検索の会社

すでに、ご存じの方も多いかもしれないが改めて同社について整理してみよう。Elastic 日本カントリーマネージャーの川崎友和氏は自社について「”Elastic=検索の会社”であり、データの多様化に対して、関連性の高い結果を迅速に提供しており、検索が当社のDNAだ」と話す。

Elastic 日本カントリーマネージャーの川崎友和氏

Elastic 日本カントリーマネージャーの川崎友和氏

検索は、Googleやヤフーなどの検索ボックスにキーワードを入力して検索することが一般的であり、同社も「Elastic Enterprise Search」として提供しているが、これに加えてクラウドサービスに関連する可観測性、つまりログとメトリックを統合的なビューに集める「Elastic Observability」、SIEM(Security Information and Event Management)などの役割を担う「Elastic Security」を提供している。

Elastic Enterprise SearchとElastic Observability、Elastic Securityの3つのソリューションは、蓄積・検索・分析を行う「Elasticsearch」、データを可視化&管理する「Kibana」、データを収集する「Beats」と「Logstash」で構成した「Elastic Stack」をベースとしている。

そして、「Elastic Cloud」「Elastic Cloud Enterprise」「Elastic Cloud on Kubernetes」と豊富なデプロイ選択肢を持ち、パブリッククラウドではAmazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)の各東京リージョンに対応。

Elasticの製品概要

Elasticの製品概要

川崎氏は「オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドとともにオーケストレーション領域にも対応できる。また、Elaststicの特徴はオープンソースであるため、クラウドはコマーシャルライセンスとなるが、それ以外は無償で利用できる」と、そのメリットを説く。

また、同氏は「オープンソースの利点は、ベンダーが持つ開発リソース・予算以外にオープンソースユーザー・コミュニティが存在するため、独自に進化していく。マーケットに対して”いまこの瞬間に必要だ”という際にコミュニティが拾ってくれることなどがあることから、テクノロジーの汎用化やナレッジシェアリングが非常に速い」と述べた。

さらに、通常は各ソリューションごとに料金体系が異なるが、同社のソリューションの場合はリソースベースのため、決められた容量に蓄積されたデータ量に応じて課金する料金体系となっている。

Elasticの料金体系はリソースベースだ

Elasticの料金体系はリソースベースだ