ドライブを管理する diskpart
Linuxに限らず、UNIX系のオペレーティングシステムではディスクの追加やボリューム管理、ファイルシステム管理などはコマンドで実行できるようになっていることが多い。こうした操作に関するコマンドは共有化されていないことが多く、利用するファイルシステムやボリューム管理機能によって利用できるコマンドやオプションおよび使い方が異なっている。
WindowsではGUIアプリケーション経由でディスク管理を行うのが一般的だが、LinuxやUNIX系のオペレーティングシステムと同じようにコマンドベースでディスクを追加したりボリュームを管理・閲覧したりすることもできる。知っておいて損はないだろう。
diskpartの利用サンプル
Windowsにはdiskpartというコマンドが用意されており、マシンのドライブ(ディスク、パーティション、ボリューム、仮想ハードディスク)を管理できるようになっている。操作方法はちょっと独特なので慣れるまで時間がかかるかもしれないが、マスターすればいろいろな処理ができるようになる。
まず、コマンドプロンプトなどから次のようにdiskpartコマンドを実行する。
すると次のようにdiskpart専用のコンソールウィンドウが起動してくる。ここでディスク操作のコマンドを入力ればよい。
diskpartのコンソールで実行できるコマンドはコマンドプロンプトで利用できるコマンドとは異なっている。helpを実行すれば、利用可能なコマンドを一覧表示できる。
diskpartで使用できる主なコマンドは次のとおり。
| コマンド | 内容 |
|---|---|
| active | 選択したパーティションをアクティブ化 |
| add | シンプルボリュームにミラーを追加 |
| assign | 選択したボリュームにドライブ文字またはマウントポイントを設定 |
| attributes | ボリュームまたはディスクの属性を変更 |
| attach | 仮想ディスクファイルをアタッチ |
| automount | 基本ボリュームの自動マウント有効化/無効化 |
| break | ミラーセットを解除 |
| clean | ディスクから構成情報または情報を削除 |
| compact | ファイルの物理サイズを削減 |
| convert | 異なるディスクフォーマット間変換を実施 |
| create | ボリューム、パーティション、仮想ディスクの作成 |
| delete | オブジェクト削除 |
| detail | オブジェクト情報を表示 |
| detach | 仮想ディスクファイルをデタッチ |
| exit | diskpart終了 |
| extend | ボリュームを拡張 |
| expand | 仮想ディスク最大サイズを拡張 |
| filesystems | ボリュームのファイルシステム情報を表示 |
| format | ボリュームまたはパーティションをフォーマット |
| gpt | GPTパーティションに属性を設定 |
| help | コマンド一覧を表示 |
| import | ディスクグループをインポート |
| inactive | 選択されたパーティションを非アクティブ化 |
| list | オブジェクトを一覧表示 |
| merge | 親ディスクと子ディスクをマージ |
| online | オフラインオブジェクトをオンライン化 |
| offline | オンラインオブジェクトをオフライン化 |
| recover | パック内ディスクを最新の状態に更新 |
| rem | コメント化 |
| remove | ドライブ文字やマウントポイントを削除 |
| repair | RAID-5ボリュームを修復 |
| rescan | 再スキャン |
| retain | シンプルボリュームに保持パーティションを設置 |
| san | SAN ポリシーを表示/設定 |
| select | オブジェクトを選択 |
| setid | パーティション種類を設定 |
| shrink | ボリュームを縮小 |
| uniqueid | GPT識別子やMBR署名を表示/設定 |
個々のコマンドの使い方はhelpの引数に指定すれば確認できる。
diskpartで利用できるコマンドのうち、お試しに適しているのはlistだろう。listはディスクやパーティション、ボリュームといった情報を一覧表示させるためのコマンドで、現在のディスクがどういった状態にあるのかを表示することができる。
list partitionをそのまま実行したとしても何も表示されない。先に表示対象となるディスクを選択する必要があるためで、たとえばselect disk 0のように実行してDISK 0を選択した状態にしておけば、list partitionでパーティション情報を表示させることができる。
次の実行例はselect volume 1などでボリュームを選択してから、そのボリュームに存在しているファイルシステムの情報を表示している。Windowsではdiskpartコマンドをこのように利用することで、Linuxと似たような情報を表示することができる。
このようにdiskpartでは操作するコマンドによっては先に対象を選択(select)しておく必要がある。この点がLinuxなどのコマンド操作に親しんでいるユーザーは戸惑うところだが、何度か使えばすぐに慣れるだろう。
CUIとGUIを使い分ける
ディスクの追加や削除、ボリュームの操作、パーティションの操作などはそう頻繁に行うものではないので、diskpartコマンドはほとんど使わない方が多いだろう。Windowsにおいて、こうした操作はGUIアプリケーション側から行うのが一般的だ。
日々の作業を効率化するという点ではCUIコマンドが効果的だが、時々しか実行しないとか、まるで使い方を知らないソフトウェアを実行するという場合にはGUIアプリケーションの方が便利だ。このあたりの特徴を掴んだ上でGUIアプリケーションとCUIコマンドを使い分けていくのがよいだろう。





