シンガポールのSkipforwardは、同社が運営するクラウド型タスク管理ツール「Jooto(ジョートー)」を9月29日付でPR TIMES社へ事業譲受すると発表した。なお、Skipforward創業者であるCEO下田祐介氏とCTO原悠介氏は、PR TIMESへ移籍し、引き続き「Jooto」事業へ携わるという。

(左から)Skipforward CTOの原悠介氏、CEOの下田祐介氏、PR TIMES 代表取締役の山口 拓己氏

タスク・プロジェクト管理ツール「Jooto」は、直感的な操作感にこだわったクラウドSaaS型タスク管理ツール。ホワイトボードにタスクを記入したメモを貼るイメージで、プロジェクト管理が実現できる。日本語のカンバン方式のタスク管理ツールとして2014年1月にベータ版公開、2014年6月に正式版をリリースした。2017年8月には、登録ユーザー数10万人を突破している。Skipforwardは「個人のtodo管理からチームのプロジェクト管理まで、幅広く利用いただいているのが特徴」とコメントしている。

Jooto会員数と有料会員率

一方のPR TIMES社は、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営する企業。2007年4月より開始したPR TIMESだが、現在では1万9000社超、国内上場企業の33%が利用しているという。

また、2015年7月よりカスタマーサポートツール「Tayori」を提供した。同製品は問い合わせフォーム・FAQ(よくある質問)ページのカスタマイズと、カスタマーサポートの開設・運営を可能にするための機能を備えている。デバイスごとに最適化したユーザーインタフェースで、サイト運営者・訪問者間のコミュニケーションを円滑化し、事業者と顧客とのより良い関係の構築をサポートできるという。

今回の事業譲受に関してPR TIMES社(代表取締役 山口拓己氏)は、「Jootoは、シンプルで直感的な操作性を実現するインタフェース、ストレスフリーなタスク管理でチーム内のつながりを強めたいという想いを持ったサービスであり、PR TIMESのミッションに相通じるものを感じた」と経緯を説明した。

PR TIMES社では今後、既存の運営事業とJootoのタスク管理機能の連携を実現していく。例えば、「JootoとTayoriは、サービス領域が隣接しており、双方有益な連携が期待できる。そのため、双方ユーザーに対してもう一方のサービス利用を喚起できるというだろう(PR TIMES社)」。また、両製品は共に、シンプルで直感的な操作性をサービス特性としていることから、利用ユーザー層が非常に近いと考えているようだ。

またPR TIMES事業では、広報業務の担当者向けに連携機能を提供する予定だ。同社が、広報やマーケティング担当者を対象に「業務で重視しているテーマ」を調査(複数回答可)したところ、上位に「メディアリレーションズ」「情報開発」「企業ブランディング」などPR課題が並ぶ中、「社内の他部署との連携」が32.4%を記録し、広報業務を担う3人に1人が他部署との連携を課題視している結果がでた。

2017年6月実施の「広報担当者に聞いた他部門との連携」調査結果(N=247名):PR TIMES調査

この結果から同社では、他部署や外部とのコラボレーション機会が多い広報部門、あるいは広報機能を兼務する中小企業の経営者にとって、タスク管理ツールが広報業務の生産性アップに有効なソリューションとなる可能性を持っていると考えており、今後1万9000社を超えるPR TIMESの顧客基盤に対して、広報業務とタスク管理の連携を提案していく考えだ。

2020年度(2021年2月期)までの目標会員数

同社では今後、2020年度(2021年2月期)にまでに50万ユーザー、有料会員比率を現在の約1.5%から3%への引き上げを目指していくという。