ChatGPTを通じて、AIの将来はどこまで進化するのか。ChatGPTがわれわれの生活にどこまで影響を与えるのかはまったくわからず、驚異というのが正直なところだと思います。

ChatGPTが進化を続ける中、ChatGPTを禁止する国や開発中止を唱える人が出てきましたが、この流れは止められません。そう断言するのはChatGPTが仮になくなっても、次の対話型AIも出てきていますし、どこかの誰かが開発していくからです。

つまり、われわれはAIとの共存を前提としたキャリア形成やビジネス設計をしなければいけないということになります。

ChatGPT時代に必要な実力とは

ChatGPTに代表する対話型AIのみならず、AI全般と共存する時代において必要な実力としては、以下の両方が必要だと考えています。

  • AIを使いこなす力
  • AIと同等以上の力

「AIを使いこなす力」は、皆さん、その通りだと思うでしょう。しかし、「AIと同等以上の力」については、「???」や「そんなの無理」と思われるかもしれません。しかし、AIと同等以上の力を持たなければ、AIを使いこなせているとは言えないでしょう。筆者は、成功するための正しいAIの使い方は以下であると考えています。

  • 自分自身がAIに依頼することと同等以上のことができるが、時間を短縮するためにAIに依頼する

  • AIより正確なアウトプットができるが、セカンドオピニオンを得るためにAIを活用する

この2点はいずれも自分が仕事の中心にいる状態で、AIを活用している状態を指しています。筆者はこれを目指しています。この2点を実現していないのに、自分の仕事をAIにさせてしまうと、自分の腕は鈍ってしまい、AIがなければ仕事にならないAI依存型の仕事のやり方しかできなくなります。

そして、依存してしまっているAIサービスが終了するとともに、その人の仕事も終了となります。人生100年時代にAIに依存してAIに仕事人生を終わりにされてはたまりません。AIが使えなくても自分のオリジナルのアウトプットを出せる力を持ちつつ、さらなる業績を上げるためにAIを活用して時短を実現するということが正解だと思います。

AIに負けない力(1)楽しむことから始めるセルフ・ブランディング

前述のAIに負けずに、ChatGPT時代に必要な実力を身につけるには、充実した仕事を楽しむ力が前提だと考えています。

仕事がつらいと、仕事をやりたくないので、AIに依存したくなると思うのです。逆に仕事が楽しければ、自分でも仕事をしたうえで、時短のためにAIを使うような、自分の労働を基準に置いたAI活用ができるようになるはずです。

筆者の仕事は、調査、企画、コンサルティング、プレゼンテーション、執筆が主なものですが、どれも大好きです。仕事をしていると楽しいです。ただ、根を詰めすぎるとしんどくなるので、そういう時にAIを活用して生産性を上げたいと思っています。

この充実した仕事を楽しむ力は、アウトプットにも好影響を与えるはずです。例えば、執筆でも執筆者の味があり、文章の魅力もさまざまです。AIもいい文章を書けるようになるとは思いますが、筆者の文章の味を出せないと思っています。

そして、筆者がもっと腕を磨けば、自分の文章の味を好きになってくれる人がもっと増え、セルフ・ブランディングが高まると考えています。さらに、権威者になれば、筆者のブランドもますます高くなります。これは筆者のブランドなので、AIには負けません。つまり、AIに負けない力のその1はセルフ・ブランディング力です。

AIに負けない力(2)高次の判断に最適さの判断

筆者は、今までの経験に基づく、これは正しいという判断ができます。今のAIは著作権の侵害、そのアウトプットが正しいかどうかという担保ができないなどの課題を抱えています。例えば、筆者は、「筆者が作成した文章だから正しい。または戦略が適切だ」と判断できます。

AIが進化すれば、その文章が正しいかどうかの判断もできるようになっていくと思いますが、戦略など高次の判断が適切かどうかは難しいでしょう。

その理由はナレッジが高い人がすべて成功するわけではないからです。特にビジネス面では、その人の性格や生い立ちや、人間関係も含めた総合力で決まるからです。経営判断などの高次の判断におけるAI活用はあくまでセカンドオピニオンとして有効かもしれないですが、筆者は任せられないです。

筆者はこのように考えていますが、皆さんはいかがでしょうか?

AIという黒船来航の様な事態は、ご自身の今後を考える良いきっかけだと思っています。この速い時代の変化に合わせて、筆者も随時、自分の考え方を磨いていくつもりです。

それでは今日はこの辺で

著者プロフィール

吉政忠志

業界を代表するトップベンチャー企業でマーケティング責任者を歴任。30代前半で同年代国内トップクラスの年収を獲得し、伝説的な給与所得者と呼ばれるようになる。現在は、吉政創成株式会社 代表取締役、プライム・ストラテジー株式会社 取締役、一般社団法人PHP技術者認定機構 代表理事、一般社団法人Rails技術者認定試験運営委員会、BOSS-CON JAPAN 理事長、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事を兼任。