円グラフばかり使っていませんか?

菩薩様の導きでプレゼン資料を「整えた」主人公。すっかり満足してしまっていましたが、円グラフばかり使っていたことを指摘されてしまいます。

円グラフは確かに情報伝達の際によく使われるグラフの種類のひとつですが、ついついクセで選んでいる人も多いのではないでしょうか。使いやすいから、親しみがあるから円グラフを使うというのではなく、プレゼン対象へ「伝えたいこと」を中心に据えて、グラフの種類を選ぶことが大切です。

伝えたいことに合わせてかたちを選ぶ

例えば、「A社の売り上げ」という項目があったとします。「ここ10年の売り上げ推移で今年が一番売り上げが多かった」という内容が主題であれば、棒グラフを使った方が相手に伝わりやすいでしょう。過去数年の棒グラフより、今年の棒グラフを色で強調することで、よりいっそう伝えたいことが明確になります。

一方、「売り上げにおける、商品の種類ごとの比率」を伝えたいのであれば、項目ごとの比率を伝えられる円グラフが適切でしょう。その場合、第3回で菩薩様が教えたように、真ん中はくりぬいてしまったほうが、心理的に伝わりやすくなります。「商品の種類別」、「事業別」など異なるカテゴリ分けの比率を表示する際は、中央にその内容を記載することで、それぞれの違いもすぐに識別でき、スムーズに理解してもらえる資料になります。

次回は、いよいよ最終回。プレゼンの最後の「仕上げ」のお話です。

首藤智之
1990年~2013年までソニーに在籍中、会社の対外プレゼンテーションのデザインディレクションを行う。現在はプレゼンテーションに使用するスライドをデザインする「ゲッコープロダクション」を設立。本連載では監修を行う。

Jecy
イラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。現在、最新作「こむぎこをこねたもの その2」もリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。本連載では漫画を担当。