PowerPoint 2013は、縦横16:9の比率でスライドを作成するように初期設定されている。しかし、最終的な出力先となるプロジェクターの画面比率が4:3であった場合は、スライドも4:3の比率で作成しておくのが基本となる。そこで、今回はスライドの縦横比を変更する方法を紹介しておこう。
スライドの縦横比(アスペクト比)を4:3に変更
最近のパソコンは、画面の縦横の比率が16:9になっている製品が多い。ワイド画面の液晶テレビも、その画面比率は16:9になるのが一般的だ。よって、これらの機器にスライドを映してプレゼンする場合は、初期設定のままスライドを作成しても何ら問題は生じない。
問題となるのはプロジェクターを使ってプレゼンする場合である。プロジェクターの画面比率(アスペクト比)は機種ごとに異なり、最新のプロジェクターであっても画面比率が4:3に設計されている製品もある。この場合、16:9の比率でスライドを作成してしまうと、上下に黒い帯が表示されることになる。
この問題を解消するには、出力機器の画面比率に合わせてスライドを作成しなければならない。例えば、出力機器の画面比率が4:3であった場合は、それに合わせてスライドの比率も4:3に変更しておくと、画面全体を無駄なく活用できるようになる。
スライドの縦横比を4:3に変更するときは、「デザイン」タブを選択し、「スライドのサイズ」から「標準(4:3)」を選択すればよい。
スライドに画像などが挿入されていた場合は、続いて以下のような画面が表示される。ここではスライド全体の縮小方法を指定する。
「最大化」ボタンをクリックしたときは、各コンテンツがなるべく大きく配置されるように自動調整が行われる。一方、「サイズに合わせて調整」ボタンをクリックしたときは、スライドが小さくなるのに合わせて各コンテンツも縮小される仕組みになっている。
このように、スライドの縦横比を変更する操作そのものは簡単であるが、後でレイアウトの調整が必要になるケースが少なくない。
状況によっていは、「16:9」→「4:3」の変更によりデザインが大きく乱れてしまうケースもある。例えば、前回紹介したオリジナルデザインのスライドを4:3の比率に変更すると、背景の書式が削除され、スライドマスターに配置した画像は縦長に変形されてしまう。
こういったトラブルを回避するには、最初に縦横比の変更を行い、その後にスライドを作成していく必要がある。可能であれば、発表会場の設備(プロジェクターの画面比率など)を事前に確認してからスライドの作成を開始するとよいだろう。
スライドの縦横比(アスペクト比)を好きな比率に変更
タブレットを使ったプレゼンを想定している場合も、画面の比率に合わせてスライドを作成しておくのが基本である。例えばiPadでプレゼンする場合は、スライドを4:3の比率で作成しておくと、画面全体を無駄なく活用できるようになる。
Android OSのタブレット端末も同様であるが、こちらは画面の比率が機種ごとに異なる点に注意すること。多くの機種が4:3や16:9の画面比率で構成されているが、中には画面比率が8:5などの機種もある。
スライドを4:3や16:9以外の比率に変更したいときは、「スライドのサイズ」から「ユーザー設定のスライドのサイズ」を選択する。
すると「スライドのサイズ」という設定画面が表示される。この画面で「幅」と「高さ」に適当な数値を指定すると、スライドを好きな比率に変更できる。
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サイズの単位は「cm」と表示されているが、これは無視しても構わない。PowerPointではサイズは相対的な意味しか持たないため、縦横の比率さえ適切に指定してあれば、実寸でないスライドサイズを指定しても問題なく作業を進められる。あまり利用する機会は多くないかもしれないが、念のため覚えておくとよいだろう。