前回、これまでに取り上げた機能だけで請求書の必要な項目を自動的に埋めるといった作業なら実現できることを説明した。今回は、実際に使われている書類データを使いながら請求書の必要項目を自動的に埋める方法を説明する。
実際によくある請求書のパターン
では、実際のケースを見ながらどのようにPower Automateを使うのかを見てみよう。例えば、次の書類は請求書のサンプルだ。
月締めで請求書の処理を行うということは、多くの企業が行っているだろう。場合によっては、請求書のテンプレートが先方から送られてきて、それを埋める形で請求書を作成して送って欲しいというケースもよくある話だ。その場合、先方から送られてくる請求書データを手元で加工する必要がある。この部分を毎回手動で入力するのは時間の無駄というものだ。
先程の書類であれば、次のように赤で塗りつぶした部分は自動的に入力が行われてくれればよく、人間が手動で入力する必要はない。
多くのケースでは、あらかじめ同じフォーマットのファイルに必要事項を書いておいて、そこからコピー&ペーストで送られてきた請求書にデータを入れるといった作業を行うのではないかと思う。このやり方なら、手動での入力よりも素早く正確に作業を行える。
Power Automateを使えば、そこからさらに作業を簡略できる。コピー&ペーストの手間を省けるし、必要に応じて条件による処理の変更も行える。Power Automateは、作業の効率化を図る上でぜひとも活用したい機能なのだ。
早速、フローを作ってみよう
それでは、早速フローを作ってみよう。行うべきことのほとんどは前回作成したフローと同じだ。データを入れる場所が増えているだけで、やることはほとんど変わらない。では、作っていこう。
まず、ファイル選択ダイアログを作成する。
ファイルの選択ダイアログに表示するファイルを絞り込みたい場合には「ファイルフィルター」の部分にパターンを書く。例えば、Microsoft Excelのxlsxファイルだけを選択すればよいなら、ファイルフィルターの部分に「*.xlsx」と書いておけばよい。必要なファイルだけが表示するようにしておくと、選択がよりスムーズになるのでお薦めだ。
次に、Microsoft Excelを起動する。
今回追加するのは次の処理だ。サンプルとして取り上げた請求書ファイルには「注意書き」「表紙」「明細」という3つのワークシートが含まれている。使いたいのは「表紙」のワークスペースだけなので、ここを編集の対象としたい。
ということで、「アクティブなExcelワークシートの設定」を追加して、ワークシート名に「表紙」と入力して対象のワークシートが編集の対象となるようにする。
これで準備は完了だ。あとは「Excelワークシートに書き込み」をひたすら繰り返して、必要なセルにデータを書き込むだけだ。何も考えずにどんどん追加していこう。
これで必要なデータの書き込みは完了だ。条件処理などが必要ない場合にはかなりシンプルにフローの作成が終わることがわかると思う。