今年で創業8年目に突入したLegalOn Technologies。先日は法務業務全体を支援することを目指す新サービス「LegalOn Cloud」の提供開始を発表するなど、さらなる変革と成長を狙う。
同社はこのほど、本社オフィスを豊洲から「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ SHIBUYAタワー)」へと移転し稼働を開始した。新オフィスのコンセプトは「融合と加速」。個人の成長とチームの成長をそれぞれ融合させ、新たなイノベーションの加速を目指すという。
「甲」「乙」「丙」と名付けられた会議室には契約類型の説明文が掲示されるなど、「法」にまつわる業務の高度化を支援するLegalOn Technologiesならではの工夫が凝らされた新たなオフィスを見学してきたので、紹介したい。
渋谷エリアを一望しながら働ける
Shibuya Sakura Stageでは、2フロアの約1600坪を占有スペースとして使用する。周囲に大手IT企業が多い渋谷へ移転したことで、社員の通勤の利便性が高まるだけでなく、他社との連携や採用などにも良い影響が期待できるという。準備が本格的に始まってから約1年半ほどの期間で移転に至ったそうだ。
社内のデザインを決める際には、数十件のオフィスを見比べて検討したという。ゆるやかな印象のあるテック企業をはじめ、格式高いイメージがある法律事務所なども同時に比較することで、双方の良い点を取り入れた。
以前の豊洲のオフィスと比較すると、オフィスの広さはあまり変わっていない。オフィスの使い方を見直すことで、デッドスペースをなくして効率的に社員が働ける空間を実現した。
オフィスエントランスに入ると、コーポレートカラーである白やグレー、黒を用いながら、木を多く取り入れたことで温かみのある空間が広がる。オンラインセミナー用の動画撮影スタジオなども備えられている。
執務エリアから窓の外を見ると、眼下に渋谷エリアが広がる。窓際に設置した休憩スペースは昼時や午後の休憩に非常に人気だという。目覚ましいスピードで日ごとに開発が進む渋谷エリアを眺めながら仕事ができる。
ユニークな名前の会議室には契約類型の掲示が
会議室の名称は、同社の事業を表現するように、契約書において当事者を表す「甲・乙・丙」を採用。契約書や裁判の中で当たり前のように使われる言葉を会議室名に使用することで、外部の弁護士などとの打ち合わせの際にもコミュニケーションのきっかけとなっているとのことだ。
ちなみに、別の候補として「ソクラテス」や「アリストテレス」などの偉人の名前を会議室名に採用するという案もあったそう。しかし、人の名前では会議室の場所や広さのイメージが分かりにくいことから、規則性を持たせやすい「甲・乙・丙」に決まった。
会議室に入ると、「産業廃棄物処理委託契約」「不動産売買契約」「金銭消費貸借契約」など、計22種の契約類型の説明文が掲げられている。これは同社の法務部門が監修したもので、民法が規定する典型契約(有名契約)13種を中心に、それぞれ担当者の"推し"の類型とのことだ。
こちらも、打ち合わせなどでオフィスを訪れた外部の人とのコミュニケーションのきっかけとして役立つという。たしかに、通された会議室の壁に契約書の説明文が書かれていたら、つい「あれは何ですか?」と聞いてしまうだろう。
大人数で士気を高めるフリースペース
オフィス内は基本的にオープンな雰囲気。コロナ禍を経てのオフィス移転となったことで、出社時にコミュニケーションを取りやすいオフィスデザインとした。「出社を強制するのではなく、来たくなるようなオフィスにしたかった」と、担当者は語っていた。出社時の円滑なコミュニケーションや活発な議論を支援する。
フリースペースでは、部署を超えて人が自由に集まりながらコミュニケーションが取れる。毎週金曜日の夜には100人ほどの営業担当者が集まり、業績報告会を開いているそうだ。社内懇親会などにも活用される。事業戦略発表会の際には、パブリックビューイングのように配信をリアルタイムで視聴していたという。
オフィス内の自動販売機には、同社が運営するメディア「契約ウォッチ」に登場する羊モチーフのキャラクター「ヒー」「ツー」「ジー」の3匹が。ちょっと一息のタイミングで癒しを提供してくれる。
執務エリアでは各区画を表すために、柱に番号が振られている。この番号のデザインには同社のロゴの一部が隠れていたり、6つのバリューがあしらわれていたりと、眺めているだけでも楽しい。
また、オフィス内には全部で6つ、金色に輝く三角形のマークが隠されている。この三角形も同社のロゴをモチーフとしたものだ。これは、来客や社員同士のコミュニケーションのきっかけとなることを期待して設置したそうだ。6つ全部見つけられたら、良いことが有るとか無いとか……。ぜひLegalOn Technologiesのオフィスを訪ねる機会があれば、探してみてほしい。