モレスキンはイタリアの同名の会社が作っているノートブック。ピカソ、マティス、ヘミングウェイといった有名なアーティストや作家が使っていたノートブックがこのモレスキンといわれています。様々な色と大きさが用意されているだけでなく「City Notebook」という街のガイドブック付きのものまであり、クリエイティブな仕事をしている人以外からも多くの人々に支持されています。線も何もないプレーンなタイプはスケッチをする際に便利ですし、方眼グラフタイプはワイヤーフレームやダイアグラムをよく描く方に最適です。中には旅行記やストーリーボートに最適化されたモレスキンもあります。

日本語でモレスキンについて知りたい方は公式サイトがおすすめ。もちろんオンラインで購入することもできます

モレスキンには横罫線付きのものからアドレスブックタイプのものまで複数のタイプを販売しています

イラストを描く方にとってモレスキンはよきパートナーになっており、モレスキンに描いたスケッチをウェブ上でたくさん見つけることができます。skine.art では、アーティストのスケッチを紹介していますが、ペン画から水彩画まで幅広い使われ方をされているのが分かります。アーティストごとに見ることもできるので、インスピレーションを得るには最適なサイトといえるでしょう。Flickrは元々写真共有サービスとしてはじまりましたが、イラストも数多く公開されています。モレスキンとひとことで言っても様々なグループ/コミュニティが存在しており、そこで共有されているスケッチも様々なスタイルで楽しめます。RSSで購読して、息抜きに観覧するには丁度いいかもしれませんね。

アーティストのスケッチが見たい方はskine.artがおすすめ。不定期でアーティスト特集も組まれており、アーティストのモレスキンの関係を聞いたインタビューも掲載されています

Flickr には幾つかモレスキンをテーマにしたグループが存在します。スケッチといっても同じモレスキンとは思えないような様々な表現方法があるのが分かります

モレスキンでGTDを実践するために独自のシステムを作っている方もいます

もちろん、モレスキンはアーティスト達のものだけではありません。仕事用に使っている方も多数存在します。ポスト・イットやノートカードを組み合わせてスケジュール管理をしている方やページを分割してエリアに応じて異なる情報を書くといった独自のシステムを導入している方もいます。また、モレスキンそのものを改造して自分なりに使いやすくしている方も少なくありません。例えばモレスキンには元々もポケットが付いていますが、市販されているステーショナリー用のカードポケットを貼付ける方もいます。また、ペンホルダーがないので、ガムテープ、ゴム、もしくはリボンを使ってモレスキンとペンをいつも一緒にしている方もいます。

モレスキンを自分が使いやすいように手を加えている方もいます。この例では iPod とセットで持ち運べるようにするためのステーショナリーをステップバイステップで解説されています

モレスキンだけではありませんが、手書きでスケッチをしたりノートをとるという行為は様々なメリットがあります。まず「書く」という行為そのものが意識を集中させてくれます。特にスケッチをしている際はパソコンで描くときより表現の制限がなくなるので、解放された感じになるでしょう。ノートパソコンでメモや議事録をとったほうがアーカイブにしたり他の方と共有をする場合は効率が良いですが、パソコンだと他のことに意識が行きがちです。また、パソコンでは文字入力が簡単なため、受け取っている情報の意味を吟味しないまま書き込むことも少なくありません。パソコンほどスピーディでないがゆえに、ノートをとることで情報やアイデアを効率よく、かつ分かりやすく記録する癖や訓練になります。ノートをとる際に独自のシンボルやシステムを導入して書き込むようになると後日見たときも思い出しやすいでしょう。

筆者のモレスキン。スケッチから議事録、そしてデザインのアイデアまで自由に書き込みをしています

筆者の場合、取ったノートに書かれている重要なところを抜き出してパソコンの To Do リストやカレンダーに情報を入力しています。最初からパソコンでノートをとれば、この手間は省くことはできますが、ノートにとった情報をレビューするところが実はノートをとる最大の理由でもあります。何が重要なのか、そして何をしなければならないのか、レビューをするという行為が自然に身に付くので先の予定もより明確になります。

様々な職種の方がモレスキンを利用していますが、利用方法は様々で、その人の個性がそのままモレスキンに出ているようで興味深いです。今回紹介したインスピレーションの数々を元に自分だけのモレスキンを作ってみてはいかがでしょうか。