クリエイターの方々はロゴ、イラスト、Webページのテンプレートなど、クライアントに納品するものとは別に幾つか別案を作っている場合があると思います。たとえクライアントに見せていないものでも、完成品に近いクオリティまで作り込んでそのままフォルダの奥深くに眠っているデータもあるのではないでしょうか。デザインはプロセスが大事な部分もあるので、そうした『没ネタ』も幾つかできてしまいます。別の案件のときに、以前作った没ネタを素材にしてデザインをすることは不可能ではないですが、コンセプトありきのデザインの場合は、没ネタを再利用するのは難しかったりします。そんなパソコンの片隅に眠っている没になったデザイン案を有益に再利用するのが今回紹介するGraphic Leftoversのコンセプトです。

会員ではなくても公開されているすべての素材を観覧することができます。使ってみたい素材があったり販売したい素材があれば左上にある「Sign up here」から会員登録しましょう

売られているアイコンは平均4クレジット(約500円)とお買い得なものばかり。Illustratorで編集も可能なので汎用性も高いです

Graphic Leftoversはデザイナーが以前作った没案をはじめとしたクリエイティブ素材を共有するサービスです。ロゴ、イラストだけでなくパワーポイントのテンプレートやフォントなど様々な素材が公開されています。没案といってもクオリティが低いわけではありませんし、ベクターグラフィックやレイヤーに別れているPSDファイルもダウンロードできるので、入手した後に自分でアレンジし直すといったこともできます。サイトで公開されている素材はすべてメンバーが作成したもので、各メンバーが思い思いの価格設定で販売しています。

販売されている素材はJPG画像からパワーポイントのテンプレート、WindowとMacで利用できるフォントなど幅広く用意されています。中には無料でダウンロードできる素材もあります

「クレジット」と呼ばれる通貨を利用しており、1クレジット1~1.3ドルの割合で購入できます。素材は無料のものから最大10クレジットのものまで様々。ほとんどのものが 5クレジット以下で購入することができるので、欲しいものがあれば気軽に入手することができます。もちろん自ら素材を販売することができ、1クレジットに対して52セントのロイヤリティが収入としてデザイナーに入ります。販売できるファイル形式には制限がないので、ブログテンプレートやループサウンドなど様々な素材を販売することが可能です。

会員登録はユーザー名、パスワード、メールアドレスだけでなく名前も記入する必要があります。登録後に届く確認メールにあるリンクをクリックすると登録が完了します

素材を買うのに必要なクレジットの購入だけでなく、アップロードした作品の販売状況などが分かるようになっています

ファイル形式や価格の設定などアップロードする素材の情報を書き込んでいきます。素材はZipファイルで圧縮し、サイトに公開されるプレビュー画像をあらかじめ用意しておく必要があります

アップロード後に審査が入り、問題がないと判断されるとサイトに掲載されます。掲載された後でもクレジットや名称の変更をすることが可能です

素材を購入するにはクレジットを購入する必要があります。たくさんのクレジットを一度に購入し、お得になるプランもあります

サイトのコンセプトは今まで作ったグラフィックの『残りもの (Leftovers)』を使って手間ひまかけずにちょっとしたお小遣い稼ぎができるというものですが、もちろん新規で素材を作って売るのも良いでしょう。自分が作った素材をアップロードする方だけでなく、すぐに使える素材を探している方にも使えるサイトといえます。

どれだけ売れてもロイヤリティの割合は増えることはないですが、他サービスに比べて比較的高い割合です。100クレジット以上になると支払いされます

似たようなサービスでベクターグラフィックを販売することができるVectorStockVoomStockがありますが、支払いや掲載までのプロセスの条件はGraphic Leftoversのほうが優位といえます。また、Graphic Leftoversでは、ベクターグラフィックだけでなく様々なファイル形式とカテゴリが用意されているのもうれしいところです。

類似サービスである VoomStock と VectorStock はベクターグラフィックの販売を専門としたサービス。アイコン制作をこうした素材サイトにあるデータを基盤に作業しはじめると効率的です

自分の作品であればGraphic Leftoversだけでなく複数のサービスで公開することもできます。露出が多ければそれだけ収入のチャンスも増えるといえますし、世界中に認知してもらえる可能性もあります。イラストをはじめとした素材をたくさん作っている方は、こうしたサービスに参加してみてはいかがでしょうか。