どんなに忙しくても、効率よく仕事をするための新しいツールを導入したり、メリットになるノウハウを積極的に学ぶのは、仕事をするうえで重要なことです。しかし、仕事に直接関わりのないことについて学ぶことも長期的に見れば仕事に良い影響を及ぼす場合があります。

例えば、好きな音楽を聴くことによって集中力が向上したり、自分にあった椅子を買って長時間の作業を気持ち良くこなす、といったことは環境が間接的に仕事へ影響を及ぼす例だと思います。自分のデスク周りやオフィス環境は、ただ機能を追求したものだけではなく、見た目にも良いものを揃えたいところです。しかし、いわゆるデザイナーズ家具は、高価なものが多いうえに取り寄せに時間がかかってしまう場合があります。

デザインの優れた家具でも格安で入手できるブランドはいくつかありますが、その中のひとつに昨年日本に再進出した「IKEA」があります。北欧らしいシンプルさと、どのようなライフスタイルにもフィットしそうなデザイン、そして驚くほど安い価格で話題のIKEA。すでに利用されている方も多いのではないでしょうか。

IKEAのサイト。残念ながらオンラインショッピング機能は今のところありませんが、在庫確認は可能なので、ショッピングリストを作るのに便利かもしれません

IKEAで購入した家具と自分が持っている雑貨などを組み合わせて部屋をコーディネートするのも良いのですが、IKEAの家具を改造して新しい家具に作り替えて使う方が増えています。椅子と板を組み合わせて大きめのテーブルを作ったり、ケーブルを完全に隠したオーディオキャビネットを作るなどアイデアは無限大。こうしてIKEA家具を改造して利用することは「イケアハッキング」と呼ばれており、海外では密かなブームになっているようです。

IKEA Hackerというブログへ行くと頻繁にIKEA製品を使った改造の新しいノウハウを掲載しています。写真を使ってハッキングのプロセスを説明しているだけでなく、どの製品を使って改造をしたのか製品名とリンクも付いているので、気に入ったら自分でも作るのも難しくありません。ちなみに製品URLは、全世界で共通のフォーマットが使われているので、IKEA Hackerからリンクされている製品が日本で販売されているのかを確認するのも難しくありません。「http://www.ikea.com/us/en/....」の部分を「http://www.ikea.com/jp/ja/....」と変えるだけで同製品の日本語ページを見ることができます。

生活の一部になるようなインテリア系のハッキングが多いですが、ノートパソコンスタンドのように仕事にも役立ちそうなノウハウも紹介されています。改造といっても多くのものはそれほど手を加えなくてもできるものばかりです

特にお勧めのハッキングは IKEA Hacker のエントリーになっている「ikea hack of the year」です。2006年に紹介された選りすぐりのハッキングを見ることができますし、作り方も分かります。中には高価なデザイナーズ家具にしか見えないようなものもあります。

以前、この連載で紹介したDIYのアイデア共有サイト「Instructables」でもいくつかのイケアハッキングを見つけることができます。検索キーワードに「IKEA」と入力して検索するといくつかリストアップされます。全ページ英語ですが、作り方の画像が豊富に掲載されていますし、中には動画でも提供されているノウハウもあるので、理解するのはそれほど難しくないでしょう。

InstructablesではたくさんのDIY系のテクニックが紹介されていますが、IKEA製品を使ったアイデアもたくさん紹介されています。検索結果をRSS登録しておけば、最新のイケアハッキングをすぐに取得することができます

洋書ですが「The Book of Home Design Using Ikea Home Furnishings」はIKEAの雑貨や家具を使って家をコーディネートしたり改良するためのヒントがたくさん紹介されています

現在は関東地区にしかないIKEAですが、2008年は関西にも数店舗オープンする予定なので、さらにIKEAの家具に触れる方は増えてくると思います。今回紹介したイケアハッキングを参考にして他にはないあなただけの仕事場を演出してみてはいかがでしょうか。