「あの人は菩薩のように優しい人だ」「あの人の笑顔は菩薩のようだ」「まるで ぼさつの ようだ!」こねたものたちにも「ぼさつ」が宿っていますが、「菩薩」とはそもそもどういった存在なのでしょうか?
「菩薩」は「悟りを求める者」という意味の菩提薩埵(ぼだいさった/Bodhisattva)を略した言葉で、元々は修行中のブッダやブッダの前世などを指す言葉であったと言われています。(菩薩像は基本的にブッダが出家する前、王子様であった時のイメージで作られており、豪華な装飾品を身につけた姿をしています。これに対して完全な悟りを開いた「如来」の像は、長い布の服を着ているだけなどシンプルな姿をしていることがほとんどです。仏像を鑑賞する際にこういった違いに着目すると、より楽しめるかもしれません)
沢山の人と一緒に悟りの境地に至ろうと考える大乗仏教が始まると、理想的な修行者の姿として捉えられるようになり、以下のような人物のことを広く「菩薩」と呼ぶようになりました。
「他者を救う」心を持ち、悟りを目指す人
菩薩としての修行(六波羅蜜)をする誓いを立てた人
悟りを得ながらも、人々を導くためにこの世にとどまった人(観世音菩薩・地蔵菩薩など)
菩薩というと仏像になっているような超人的な人物のイメージがありますが、他者を救う心と悟りを目指す心を持った人は誰もが「菩薩」という存在なのです。
自分自身を向上させながら、周りの人にも役立つことを考える。悟りの境地に至りながらも、自分だけがそこに行くのではなく他人のためにもベストを尽くす。「自分だけが」という執着から離れた菩薩の生き方からも、学べることがたくさんありそうです。
自分の仕事を終えたら(目標を達したら)、周りに行き詰まっている人がいないかどうか目を向けてみたり、うまく問題を解決できる方法を見つけたらそれを共有したり、身につけた知識を活かして読む人に分かりやすいよう資料をまとめるなど「誰のため」を意識してものを作ったり、自分からアイデアを提案して周りの人も発言しやすい空気を作ったり…
日常の中の小さなことでも「自分を向上させながら周囲のためにもなる」という視点で取り組めることを探してみると、今まで気づかなかった「得意なことの活かし方」や「自分にできること」が見つかるかもしれません。
■こむぎこをこねたもの、とは?
■著者紹介
Jecy
イラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。その後、「こむぎこをこねたもの その2」、「こむぎこをこねたもの その3」、「こむぎこをこねたもの その4」をリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。
「週刊こむぎ」は毎週水曜更新予定です。