雑誌、新聞、ネットニュース等において、見ない日はないと言っても過言ではない「クラウド」。いつでも、どこからでもアクセスできるという利点は、これからのモバイル時代にぴったりのサービスである。
しかし、どこからでもアクセスできてしまうことは、便利さの反面として、大きなセキュリティリスクを抱えることとなる。この問題を如何にして解決すべきかが、これからのモバイルクラウド時代に向けての大きな課題となるだろう。 今回は、モバイルクラウドに対応した事例として、株式会社マイナビが2013年に導入したソリューションを紹介。安全を確保したモバイルクラウドの活用方法をお伝えする。

クラウドの利用によって生じる、セキュリティリスク

株式会社マイナビ 業務システム統括部 薄井照丈

株式会社マイナビは、2013年の2月に、メールシステムを自社サーバーからクラウドサービスである「 Google Apps 」に完全移行した(参考記事<http://news.mynavi.jp/series/google-apps/001/index.html>)。 「導入を決めた際、折角クラウドに移行するのだからモバイルの使用を想定したものにしようと考えていました」と語るのは、マイナビの業務システム統括部に所属する薄井照丈(以下 薄井)である。
当時から、マイナビでは一部の社員にiPadを配布し業務に活用していた。だが、メールに関しては決して使い勝手の良いものとは言えなかった。

「以前のメールシステムではセキュリティを確保するために、VPN接続した上で既存のWebメールシステムを利用していました」(薄井)

だがそれは、接続の手間も掛かる上、ユーザーインターフェースも使い難く、社内での評判はあまり良くなかった。
「 Google Apps 」に移行すれば、ユーザーインターフェースは見慣れたGmailのものをそのまま利用することができる。使いやすさは向上し、システムに対する社内の評判も上がることだろう。しかし、それを実現するためには、一つの大きな問題があった。それはアクセス制限である。

「 Google Apps 」のようなクラウドサービスは、どこからでもアクセスできることが大きな魅力だ。だが、だからと言って、本当にどこからでもアクセスされてしまっては企業としては困ってしまう。例えば、ネットカフェにある端末からメールシステムにアクセスできる、などということは絶対に避けなければならない。モバイルクラウドを「安全に」活用するためには、しっかりとしたアクセス制限は必須である。
だが残念ながら標準の「 Google Apps 」には、マイナビが求めるレベルのアクセス制限が実行できる標準機能は無かった。 「そこで、代理店だったソフトバンクテレコムさんに相談したところ、紹介されたものがCloud Gate Single Sign On Light (以下 Cloud Gate)でした」(薄井)

多彩なアクセス制限が、安全なモバイルクラウドを実現

「Cloud Gate」は、株式会社インターナショナルシステムリサーチ(以下 ISR)が提供する、「 Google Apps 」の全サービスに対応したアクセス制限サービスである。 「Cloud Gate」が持つアクセス制限の機能において、特に薄井が着目したのは次の3点である。

1.パスワードポリシー設定

「 Google Apps 」標準では不可能な、パスワードの強度設定(文字数、必須文字種別、有効期限等)が設定可能

2.PC端末アクセス制限

社外のネットワークからアクセスできる台数の制限。アカウントごとに最大何台までアクセスできるか、そのポリシーを柔軟に設定可能。

3.POP/IMAP制限

社内からはメールクライアントを利用してPOP/IMAPでメールの受信が可能。一方、社外からのアクセスは制限をしてメールデータを端末にダウンロードさせない。
(*1、3は追加オプション)

「これらの機能を利用すれば、安全にモバイルクラウドが実現できる」と薄井は考えた。また、「Cloud Gate」はASPサービスであり、自営サーバーからクラウドへと移行していたマイナビのシステムにはうってつけである。そこで薄井は、「 Google Apps 」の移行に合わせて「Cloud Gate」を導入することを決定した。

Cloud Gate Single Sign On Light 基本機能・システム図

簡単設定でスムーズな移行が可能

「今回、Cloud Gateの導入は Google Appsへの移行と同時に進められたので、時間的な余裕は全くと言っていいほどありませんでした」(薄井)
幸いなことに、「Cloud Gate」は、「 Google Apps 」と連携する際に複雑な設定は殆ど必要がなく、時間も手間も掛からない。
例えば、導入する際に必要となる作業としては、アカウントの登録がある。「Cloud Gate」では、アカウントをCSVファイルで「 Google Apps 」側とあわせて一括登録することが可能である。
なお、マイナビではユーザーアカウントのほかに多数のグループメールのアカウントを所有している。このグループアカウントをGoogleグループに一括登録する機能は、標準の「 Google Apps 」にはない。だが、「Cloud Gate」を利用すれば、ユーザーアカウントと同様にCSVファイルで一括登録・管理することができる。 「アカウントの移行は、予想以上に短時間で終わりました。アカウントのクリーニングには大変な時間と手間がかかりましたが(笑)」(薄井)

なお、これらのアカウントは、一度登録してしまえば追加、更新、削除などを「Cloud Gate」側で一元管理することが可能である。
「マイナビでは、業務の拡大に伴い、毎年数百人単位で社員数が増えています。それがCSVファイルで一括登録して管理ができる。本当に楽になりました」(薄井)

更なるモバイルクラウドの活用を目指して

「Cloud Gate」の導入によって、セキュリティを保ちながらクラウドベースのメールを利用できるようになった。また、不評だったインターフェースはGmailへと変更され、使い勝手は格段に向上した。特にiPadを使用している社員からは「前と比べると格段に使いやすくなった」と好評価を得ているそうだ。

「これからは、よりモバイルにおける使い勝手の向上を目指していきたい」と薄井は語る。 例えば、「Cloud Gate」にはWebブラウザインターフェースのGmailでは不可能なプッシュ通知を、端末を限定しながら可能にする機能がある。定期的にメールを受け取りにアクセスする必要もなくなり使い勝手も向上するので「導入を検討したいと考えています」(薄井)
モバイルの有効活用と接続の安全性を両立するソリューションとしてマイナビが選択した「Cloud Gate」。現在、ISRのHPには、「Cloud Gate」の導入事例が数多く掲載されている。900社・45万ユーザー(2013年12月末現在)の導入実績を誇る、その実力を是非ご覧いただきたい。

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