Notionでタスク管理や顧客管理などを行っていると、数値実績をグラフで可視化したくなることもありますね。特に、売上や販売数などの目標を定めている指標、商談数やタスク消化状況などの個人評価に関わる指標については適時確認できるダッシュボードがあると便利です。→過去の回はこちらを参照。
Notionには標準機能としてグラフやダッシュボードを作る機能はありませんが、外部のツールと連携することで作成できるようになります。
手軽なツールとしてはNotionChartsや以前の記事でご紹介したNochartを利用すればNotion上のデータからグラフを作成することができます。しかしながら、複数のグラフを綺麗にまとめてダッシュボードを作ったり、表示フィルターを用意して高度な分析をしたりする場合には上記ツールでは不十分です。
今回は、無料で使える高度なBIツールのGoogleデータポータルを使ってNotion上にダッシュボードを作成する方法について、前編中編後編の3回に分けて解説します。
ダッシュボードの重要性
ダッシュボードとは「1つ以上の目標を達成するために必要とされる最も重要な情報を、ひと目で把握できるよう1つの画面上にまとめて配置して視覚的に表したもの」です。
ダッシュボードを作成すると、データが可視化されて瞬時に状況把握することができるようになります。上昇傾向にあるのかどうか、過去と対比して良いか悪いかなどを一目で判断できます。
ダッシュボードによってさまざまな角度から状況を分析することで、正しい意思決定のサポートにもなります。
また、ダッシュボードをNotion上に作成することで、チームの全員がダッシュボードにアクセスしやすくなります。
ダッシュボード作成の全体像
今回のダッシュボード作成は以下の流れで行います。
手順1:Makeを使い、Notionのデータを1時間ごとにGoogleスプレッドシートに出力する
手順2:GoogleスプレッドシートのデータをもとにGoogleデータポータルでダッシュボードを作成する
手順3:ダッシュボードをNotionに埋め込む
Makeとは
Makeは、1000種類以上のサービス同士をプログラミングなしで連携させることができるオンライン自動化プラットフォームです。以前はIntegromatというサービス名でした。無料プランも用意されており、今回のダッシュボード作成は無料プランの範囲内で実現可能です。
Googleスプレッドシートとは
https://www.google.com/intl/ja_jp/sheets/about/
Google社が提供する表計算ソフトです。クラウド版のExcelのようなサービスです。こちらも無料で利用可能です。
Googleデータポータルとは
https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/data-studio/
Google社が提供するBIツールです。GoogleスプレッドシートやGoogleアナリティクスなどあらゆるデータをもとにダッシュボードを作ることができます。以前はGoogleデータスタジオという名前でした。こちらも無料で利用可能です。
手順1:Notionのデータを1時間ごとに出力する方法
元データの用意
今回は下記データベースを例として解説します。必要に応じてご自身のワークスペースに複製してお使いください。
https://tahara-demo.notion.site/2e91542dc0ec4e338767d2dfcb49804e?v=1e73dd3c761d401c8aa938c96ec052f9
Makeのアカウント作成
Makeのトップページにある「Get started free」ボタンを押して、アカウント登録をします。
シナリオ作成ページを開く
Makeのアカウント作成が完了したら、管理画面の「Create a new scenario」から新しいシナリオを作成します。
新しいシナリオの作成ページを開いたら、次のシナリオを作ります。
「1時間ごとにNotionのページ更新を検知する。更新があったページがまだスプレッドシートに登録されていなければ、スプレッドシートに新しい行を追加する。すでにスプレッドシートに登録されていれば、該当行を更新する。」
順番に5つのモジュールを作成します。今回の記事では1つ目のモジュールを作り、Notionから情報を取得する部分までを設定します。
モジュール1. Notionのデータベースアイテムの更新を検知する
最初のモジュールを追加するには、中央のプラスボタンを押し、「Notion」と入力してNotionと連携するモジュールを選択します。
モジュールにはたくさん種類があり、Notionの中でもデータベースの中のページ更新を検知する「Watch Database Items」を選択します。
次に、このモジュールの設定です。
まずはNotionとの連携部分であるコネクションの設定をします。最初はコネクション設定がない状態のため、「Add」からコネクションを作成します。コネクションタイプは「Notion Public」を選び、わかりやすい名前を付けて「Save」を押します。Notionとの連携設定画面が表示されたら、連携するNotionページを選択します。
コネクション設定が終わったら、どのように検知するかを設定します。すべての更新を検知したいので「By updated time」を選択肢、データベースIDを入力し、上限は更新頻度に応じて増やします。
保存しようとすると、いつの更新から検知するかを選択する画面が表示されます。過去の分も含めたいので「All」を選択します。
ここで一度このモジュールを実行してみましょう。モジュールを右クリックして「Run this module only」を押すとこのモジュールだけが実行されます。実行後、右上の数字を押すとどんな内容を取得できたか確認することができます。
次回、Notionから取得した内容をスプレッドシートに出力する仕組みについて解説します。