ウェブアプリケーションの進歩によって、ブラウザ上で仕事をするケースも増えてきました。今回は、ウェブアプリケーションで行った作業の進捗を、ブラウザ上で管理するテクニックを紹介します。

ブラウザ上で作業記録をとりたい

ブログ更新、スライド作成、マインドマップで思考整理と、最近になってますますウェブ上で「作業する」ことが増えてきました。 こうなってくると、ウェブ上でどのように作業を進めてきたかについて、記録を残しておきたくなります。

というのも、たとえばGoogleノートブックに代表される、一部の文書管理、ノート管理ツールのようなサービスを除き、ウェブ上の作業系ツールでは、どこまで何をやったかよく分からなくなることがしばしばあるのに対し、それが簡単に分かるような情報表示は、それほど豊富ではないからです。

例を挙げますと、ブログのエントリ管理があります。ブログのエントリがある程度蓄積され、カテゴリやタグ付けなどを整理したいと思ったとき、1日でいきなり200件も整理し直せるものではないでしょう。時間もあまりないのです。

あるいは、はてなブックマークなどのタグを整理し直そうと思っても同じです。どこまで整理済みで、どこからが未整理なのか、区別しながら整理を進めていくのは、けっこう面倒です。これがアナログな仕事であれば、メモ用紙1枚に記録するだけですむのですが。

もちろん、ネット上の管理についてもメモ用紙を利用できますし、あるいはパソコンの「メモ帳」を使ってもいいですが、作業空間はブラウザ上。作業ごとに「メモ帳」にログをとるのは、簡単なようでけっこう面倒くさく、それなりのマメさが要求されます。

また、ブラウザを広げるほかにメモ帳のアプリも開くとなると、画面の広さ(高い解像度)も必要です。つねにそういう環境に恵まれているとは限りません。そしてなにより、ブラウザの特定のページで作業しているのなら、その同じページ上で、作業記録を残していきたいものです。これが一番自然でわかりやすく、記録を残しやすいはずです。

ライフハックス:作業進捗のためにDiigoを使う

以前も、本連載に登場したDiigoですが、今回は前の時とは全然違う使い方の提案です。Diigoを作業ログのために使うのです。

たとえば、自分のブログの過去記事などについて作業を進めていくとき、何日にはどこまでやったか分からなくなってしまいます。しかし、それが分からなくなると、作業を効率的に引き継ぐことができず、ムダが生じます。

このようなムダが発生しないように、Diigoで作業の最終位置をハイライトして、記録を残しておくわけです。その後は、記録が残ったところがブックマークされますから、ここへ簡単に戻ることができます。

具体的には、以下のように、終わったところまでハイライトしておくということです。これは、Diigoに登録すれば、簡単にできます。

作業が済んだ箇所をハイライトする

紙にハイライトをマーカーで引くのと違って、デジタルのいいところはハイライトを消すことも簡単にできる点です。つまり、作業の最終位置は、作業のたびに変わってしまいますが、前のハイライトは、Deleteしてしまえばいいのです。そうすれば、ハイライトされているのはつねに最後のところだけ、ということになります。

不要になったハイライトは簡単に削除できる

さらに、Diigoを使えば、ハイライトされているところにスティッキーノートを残しておくこともできます。つまり、これが過去ログとなるわけです。次回への引き継ぎとしても当然機能します。

手軽にメモを残せるのもポイントだ

毎回、作業が終わったところをきちんと移動させていけば、Diigoのブックマーク機能を使って、最後の記事の管理画面まで直接に跳べます。もちろんブックマークというのはそうしたものですが、「どのくらい過去のページまで、整理済みかが分からなくなっているようなブログ」を整理するときに、こういうツールはとても便利です。

Diigoのすばらしいところはなんと言っても、ただハイライトを残すことによって、そこがブックマークのリストとなってくれる点です。「この機能を読書中にも使えれば!」と思うことは、再三あります。ハイライトがブックマークレットであり、引用文字列が自動で残り、そこにメモまで貼っておくことができるという便利さは、あまり好きな表現ではないのですが「やみつきに」なります。

この機能は、実のところ「マイページ」と相性がいいのではないかとよく思います。私はたとえば、読書管理ツールのリストなどに、Diigoでハイライトさせておくことがよくあります。自分で引用した文章にメモを残したり、読了後に買うべき本などを、ハイライトで残しておくのです。

これは、単に「読みたい本のリスト」を作るのとはちがって、『A』という本と『B』という本とが、自分の中で密接につながっているような場合、非常に重宝する機能なのです。Diigoを使わなくても同じようなことはできますが、Diigoを使うと、とびきり簡単にできてしまいます。 「タグ」などを使ってまとめておくよりも、簡単な作業に向いているのです。カテゴリ名も思いつかず、永続的にまとめておく意味はないが、Aの次にはBをする、そういうつながりを一時記憶させておく、というわけです。