前回、Workspace Labsに登録したユーザーに向けて「Googleカレンダー」でもGeminiのサイドパネルが提供されていることについて触れました。しかし実は、Workspace Labsに登録していないユーザーであっても、GeminiのサイドパネルからGoogleカレンダーを利用する方法があります。→過去の「Google Workspaceをビジネスで活用する」の回はこちらを参照。

それは「Gmail」からGeminiのサイドパネルを経由して、Googleカレンダーと連携し、さまざまな操作をすること。実はこの機能は2024年11月から提供されているのですが、日本語で利用できるようになったのは2025年4月からと、ごく最近のことだけに気づいていない人も多いのではないでしょうか。

GmailのGeminiサイドパネルからカレンダーを利用する

GmailのGeminiサイドパネルからGoogleカレンダーを利用する方法は、それほど難しくありません。まずは、Gmailを起動した後にGeminiのサイドパネルを呼び出し、予定を参照する場合は前回と同様に「今週のイベントを教えて」などと入力することで、指定した日時の予定を表示してくれます。

  • Google Workspaceをビジネスで活用する 第113回

    GmailのGeminiサイドパネルからGoogleカレンダーの操作をするには、サイドパネル呼び出し後にGoogleカレンダーに関連するプロンプトを入力すればよい

もちろん予定の追加も可能。こちらも前回と同様に、「〇月〇日の××時から△時間で□□の予定を作成して」などと入力することで、予定を直接作成することができます。

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    日時や場所などを入力することで、予定を追加することも可能だ

もしプロンプトを入力する際、明示的にGoogleカレンダーに指示を出す必要があるという場合は、まず「@」を入力します。するとGeminiで指示できるツールの一覧が現れるので、「Calendar」を選んでからプロンプトを続けて入力することにより、Googleカレンダーに対して明示的に指示をすることが可能です。

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    日時や場所などを入力することで、予定を追加することも可能だ

GmailのGeminiサイドパネルでできないことも

ただGmailのGeminiサイドパネルでは、Googleカレンダーを操作する上でいくつかできないこともあることに注意が必要です。代表的なものとしては、予定にゲストを追加・削除することや、添付ファイルや出欠確認、そしてタスクの作成や会議室の追加・管理などもできません。

そして、Workspace Labs登録者が利用できるGoogleカレンダーのGeminiサイドパネルと比べた場合でも、できないことがいくつかあります。その代表例となるのが予定の内容を後から変更することで、GoogleカレンダーのGeminiサイドパネルでは可能だった、作成した予定に後から時間や場所を追加することもできないようです。

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    GoogleカレンダーのGeminiサイドパネルとは違って、現時点では予定の内容を後から変更することはできないようだ

しかし何より、現時点では多くの人が期待しているけれどまだ利用できるようになっていないのが、Gmailのメール内容を判別してGoogleカレンダーに予定を登録することはないでしょうか。実はこの機能は既に英語版では提供されており、英語版では2025年3月に、Gmailに「カレンダー追加」ボタンが加わっています。

この機能に対応していると、Gmailのメール詳細画面を開いた時にGeminiがメール内容から予定を検出、カレンダーに追加できる予定があると判断した場合は「カレンダーに追加」ボタンが表示されます。そしてこのボタンを押せば、Geminiのサイドパネルが開いて予定をカレンダーに追加してくれます。

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    Google Workspaceのブログより。英語版のGmailには既に、予定の内容から予定を検出してカレンダーに追加できる「カレンダーに追加」(Add a Calendar)が提供されている

営業やイベント運営会社など、日頃多くの予定を管理している人ならば、Gmailから自動的にGoogleカレンダーに予定を追加して欲しいと思っている人も多いかと思います。

それだけに「カレンダー追加」ボタンを待望している人も多いかと思われますが、現時点ではまだ多言語対応が進んでいないようです。早く日本語対応が進むことを、大いに期待したいところです。