日本語でも英語でもおもしろい文章ならすいすい読めるけど…

話題の『Harry Potter and the Deathly Hallows』が発売されて2週間が過ぎましたが、英語の原書にトライしている方はいるでしょうか。この本のように、話がどんどん展開して、主人公たちの行動にハラハラドキドキさせられながら読んでいくと、時間も忘れてあっというまに読みきってしまいます。

ところが、仕事で読まなければならない英文はいつも物語のようにおもしろいとは限りませんし、最後まで読みきるための集中力も続かないことが多いと思います。特にRFC(Request for Comments: インターネットで使われるプロトコルなどの標準的な振る舞いを規定しているドキュメント)のように細かい指示が何十ページにもわたって書き綴られている英文では苦労するかもしれません。ですが、これが直接仕事に関係してくるとなるとどうしても理解しなければいけません。そこで今回は正確に理解するための英文リーディングについて話をしましょう。

英文リーディングに王道なし!?

英文を正確に理解するためには何度も読むしかありません。以前、英語のクラスで難解な物語のリーディングが宿題に出されたときに、何か簡単に理解できるようになるよい方法はないのかと先生に質問したことがあるのですが、答えは「何度も読みなさい」だけでした…。ただし、一般に"Reading Strategies"と呼ばれている、速く読むためのリーディング手法は確かにあります。インターネットで"reading strategies"や"critical reading"などをキーワードに検索すると、いろいろな解説ページがヒットするので調べてみてください。

私が学校で教えてもらった手法と、インターネットで紹介されている方法では若干の違いはあるものの、いくつかの段階を設けて読む方法は同じようです。Strategies for Developing Reading Skillsで説明されていますが、まずはタイトルや各章の題目など全体を眺めたら、自分の知識を生かして、どのような内容かを予測します。RFCのような技術文書には目次があるので簡単ですね。

それから実際に読みはじめますが、2回繰り返して読みます。このとき、わからない単語があっても辞書は使いません。1回目はskimming、つまりキーワードの拾い読みをします。「RFC2616 HTTP Authentication: Basic and Digest Access Authentication」を例にとると、随所に出てくる式を最後まで追いかけてみる、といった読み方ができるでしょう。2回目はscanningですから、もうすこし詳しく見ていきます。各パラグラフの最初の一文と、パラグラフがある程度長い場合は、最後の一文も読んでおくほか、全体を斜め読みします。scanningの後で、もう一度読みますが、今度はすべての文章をちゃんと読んでいきます。

すべての文章をきちんと読む段階ではannotatingといって、重要な部分を囲んだり、わからない単語に下線を引いたり、質問事項を書きこんだりしていきます。このとき使われる記号は標準化されていないようですので、"reading strategies annotating"などのキーワードで検索して自分が使いやすい記号を利用するといいでしょう。たとえば、Reading/Writing Handoutsの「Annotating a Text」のリンクをクリックするとannotatingを詳しく説明しているPDFファイルが表示されますが、ここにはサンプルもあります。また、Reading Strategies/Scaffolding Students' Interactions with Text/Annotating a Textには手書きの例が紹介されています。いずれも鉛筆で書き込んだようなモノクロのannotatingですが、他の例では赤や青のペンを使ったり、ハイライターを使っている例もあります。

Annotatingは理解を深めるために行うので、知らない単語に下線を引くだけではなく、日本語でかまわないので、疑問点やコメントも積極的に書いていきましょう。もう一度読み直すときには意味がわからなかった単語を調べますが、このときには書き込んであった疑問点が解決しているかもしれません。RFCのような技術文書ではなく一般的なエッセイなどの文書ではthesisなど、Writing Guides Critical Readingに挙げられている項目にもマークを付けていくといいでしょう。

英語のドキュメントを何度も読むのはたいへんかもしれませんが、正確に理解するためには繰り返し読むしかありません。私の経験では3度読むと、たとえ難解な文章でもかなり内容を理解できるようになっています。今回紹介した読み方を参考に、トライしてみてください。

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